2024.04.06
暮らす今回、向かったのは「さっぽろ天神山アートスタジオ」。
札幌の地下鉄南北線・澄川駅を出て、南に向かうと、突如大きな森が現れます。
その森の中をグネグネと登っていくと、落ち着いた面持ちの建物が見えてきました。
笑顔で迎えてくれたのは 、AIR ディレクターの小田井真美(おだい・まみ)さんです。
「さっぽろ天神山アートスタジオ」の立ち上げから、仕組みづくりに携わったという小田井さん。現在は、イベントの企画や運営を行っています。
「このスタジオは、札幌市におけるAIR(アーティスト・イン・レジデンス)の拠点です。国内外で創作活動を行うアーティストはもちろん、市内、道内在住の方も低料金で利用することのできる施設なんですよ」と小田井さん。
AIRの特徴について、お話をお聞きしました。
アーティストの芸術活動を支援するための仕組み、AIR(アーティスト・イン・レジデンス)。
時代と共に変化し続けてきたという、AIRの在り方について、小田井さんは次のように話します。
「日本でAIRの制度が始まった当時は、海外のアーティストを日本に呼ぶ形式がメジャーだったんですよ。時代が進むにつれて、国外だけではなく、日本国内の移動の場合も、AIRと呼ぶようになってきました。たとえば、東京を拠点とするアーティストが、青森へ旅行して、そのまま現地で創作活動をするような形です」
「ちなみにこの施設は、もともと市営のホテルだったんです」と小田井さん。
「現在は、創作活動と滞在を格安で利用できる施設として運営しています。海外のアーティストはもちろん、国内や道内、市内の方も利用できるのは、全国を見ても、天神山アートスタジオぐらいです。地元の作家も利用できるのがうちの特徴ですね」
どうして、地元の作家も利用できるような仕組みづくりを?
「AIRの目的を紐解いていくと、“いつもと違うところで作業すると、刺激になって捗(はかど)る”ということに辿り着くと思うんですよね。学生や会社員が、家にいて煮詰まってきたから、スタバで作業しよう、みたいな。そういう利用の仕方が、AIRにあってもいいと思うんです。地元の人だって活動できるスペースがあったらいいんじゃないかなって思ったんですよ」
なるほど!
学生や会社員と同様に、きっと、アーティストだって、決まった場所で作業をする人が多いはず。
たまには環境を変えてみることで、新たな刺激と出会うきっかけに繋がる。
創作活動をしている身としては、とても共感ができる話だ。
ちなみに“格安”って、おいくらなんだろう?
「スタジオの大きさにもよりますが、一番小さいスタジオだと、24h/770円ですね。24時間〜90日の間で好きな期間で滞在できます」
や、安すぎる。あまりの安さに面を食らってしまった。