2024.01.29
育む——ゆきまつりを題材にしたのは?
(けーたろうさん)
僕が小学生だった頃、雪まつり絵画コンクールに毎年学校をとおして出品していました。
そのため毎年、制作途中の大雪像を見に母親が連れて行ってくれていました。
そんな原風景がもこの物語の背景にあります。
——この作品のこだわりを教えてください
(なかいさん)
チンパンジーのレディを、実際に近いキャラクターに描くことです。
この絵本は2006年に出版したのですが、レディ(2006年生まれ)は赤ちゃんのときに母エリサを事故で亡くしたため、飼育員さんが親代わりとなって育てた話は有名ですね。
レディが飼育員さんにくっついている姿が可愛くて印象的だったので、絵本の中では神父さんにおんぶや抱っこされている姿を描きました。
———事実に基づいている部分もあって、親しみが湧きますね
(なかいさん)
実は、マールがレディと一緒に円山動物園から大通公園までやってくる道のりは、読者にもわかるように、綿密に取材をして街並みを描きました。
もう現存していないお店などもありますが…。
———マールもいつも可愛いですね!
(なかいさん)
マールを我が子のように可愛いと思って描いています。
身に着けるアイテム、例えばこの絵本の場合は帽子とマフラーですが、私だったら我が子には手編みにするだろうな、きっとこんなものを編むだろうな……と、背景も考えながら描きます。
マールの表情やポーズなども、子どもの頃の記憶を辿って。親はこんな仕草を可愛いと思ってくれていたのだろうなぁと、家族と過ごし成長する日々の中で育んだものを大切にしながら描いています。
——この作品を通して伝えたいことは?
(けーたろうさん)
力を合わせることは重要だということ。
その視点で絵本をじっくり見てみると色々な発見があるはずですよ!
「2024さっぽろ雪まつり」 は 2月4日(日)~11日(日)まで 開催されます。
大通7丁目会場「HBCドイツ広場」には「ノイシュバンシュタイン城」を再現した大雪像が登場します!
『おばけのマールとゆきまつり』の絵は、よく見ると色々な国の人が描かれていますが、このHBCドイツ広場も「雪まつりにおける国際交流」がテーマになっています。
マールとレディも遊びに行くのかしら……?
小学生の頃、帰り道に雪玉を転がしながら帰って、庭に大きな雪だるまを作っていたことも懐かしく思い出しました。
北海道民なら同じような思い出のある人も多いですよね。
『おばけのマールとゆきまつり』は、 “マールシリーズ”としては初期の作品ですが、おふたりの話を聞いたあとに改めてじっくり絵を見てみると、確かに発見がいくつもあります!
皆さんもぜひご自身の目で見つけてみてください。
ちなみに、エキストラとして作者のおふたりもひっそり登場していますよ(笑)
****
「連載コラム・今月の絵本通信」
文|HBCアナウンサー 堰八紗也佳
Instagramも更新中!
編集:Sitakke編集部あい
■【3選】今年こそ行ってほしい!断然オススメ公園はここ「公園ハンター」渕上アナウンサー&編集部あいが選ぶベストブラボーは