2024.01.10

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「私たちには声を上げるチカラがある」ドキュメンタリー映画『ヤジと民主主義 劇場拡大版』苫小牧や函館でも上映決定

「増税反対」声を上げた桃井さんを4,5人の警察官が排除 「落ち着こう、落ち着こう」って法的根拠は?

2019年7月15日。JR札幌駅前。第25回参議院選挙で安倍首相が自民党候補の応援演説に来ていた。安倍首相が選挙カーの上で演説をはじめてから数分後、大杉雅栄さんが「安倍やめろ」とヤジを飛ばした。すると十数秒ほどで4,5人の警察官が大杉さんの身体を取り押さえながら強制的に連れて行った。

桃井さんはその様子を20メートル後方で目撃した。桃井さんと大杉さんは知り合いだった。

「大杉さんがヤジ飛ばしてすごい勢いで連れて行かれるのを見て、何かやばいことが起きてると思ったんです。私も声を出した方がいいってわかってるけど、出せないっていう状態でした。今後この日を思い出したときに、ここで声を上げなかったこと絶対自分が後悔するなっていうふうに思いました」

桃井さんは声を上げた。

「増税反対」

周囲にいた4,5人の警察官がすぐさま桃井さんの身体を掴み、強引に後方へ連れ去っていく。それが警察だとわかった桃井さんは「私なんか悪いことしたの?」と聞くが、警察官は「落ち着こう、落ち着こう」と言うばかりで、法的根拠を説明しない。その後も、桃井さんは2人の女性警察官に1時間近くも付きまとわれることになる。桃井さんらは、表現の自由を奪われたとして、北海道警察を所管する北海道に対して損害賠償を求めて提訴した。

「警察官に排除される桃井さん」原告弁護団提供

「人生が変わりましたね(笑)。声を上げたときは、世界で私だけおかしい人なのかなと不安があったんですけれど、おかしいよねと言ってくれる人も結構いるので心強い」

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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