変えたいなら、変えればいい?

2つ目のポイントは、「ハードルの高さ」です。

泉記者は、「変えたいなら変えたらいい」という簡単な問題ではなく、”性別を変える”手術はとてもハードルが高いと指摘します。

まずは「体の負担」。
「手術で身体を傷つけることはもちろん、手術によってホルモンバランスが乱れて体に変化が起きることもあります。一回の手術だけではなく、適切なホルモン治療を続ける必要も出てくる」といいます。

「体への違和感を減らそうと、手術やホルモン治療を受けることを選び、適切に続けていくことは、当事者の”生きやすさ”につながる大切な選択のひとつ。ただそれが、一律に『強制』されるものになっていることや、適切な形で続けていくことが難しい現状に、課題がある」と指摘します。

さらに「費用」も高いハードルです。手術だけでなく、通院の費用もかかります。

泉記者は、「『体を変えることで生きやすさにつながる』と、懸命に治療や手術と向き合うことを選ぶ人もいれば、『自分の体のままで自分らしく生きられる』『体を傷つける手術を強制するのは人権侵害』だとして、”手術なしの性別変更”を認めるべきだと訴える人もいる。『性別を変えたい』という願いは同じでも、望む形はそれぞれ違う」と話します。

この2つのポイントについて、てる子さんはどう話したのかは、1ページ目の動画からご覧ください。

ところで、そもそもてる子さんは、「性別を変えたい」と思っている当事者かというと、違います。
ただ、どんな当事者かというのは、一言では説明できません。

前編の記事で、てる子さんについて、そしてあなたや周りの人たちの「性」を考えるきっかけについて、くわしくお伝えしています。

取材:HBC報道部 泉優紀子
2019年入社。ドキュメンタリー『性別は誰が決めるか~「心の生」をみつめて~』制作。Sitakkeでは連載「忘れないよ、ありがとう」を執筆。

文:Sitakke編集部IKU

※掲載の内容はトークライブ収録時(2023年12月13日)の情報に基づきます。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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