受験シーズンまっただ中です。
自分自身の人生を振り返ったときに、「あの時期は辛かったなぁ」と思い出されます。それでも好ましい結果に結びつけば、そんな辛さも報われたと思えるのですが……残念ながらそうではなかったとき。受験生本人のみならず、ずっと陰で支えてきた親も、苦しく辛い気持ちになることでしょう。親としてなんと声をかけたらいいのか、どう接したらいいのかと、悩まれている方も少なくないと思います。
今日は子どもを思い、悩む受験生の親御さんに知っておいてほしいことを公認心理師である筆者がお伝えします。
この言葉がいい、この言葉は言ってはいけない。残念ながらそういう答えはありません。その子の性格や考え方、状況によって答えが変わるからです。受験に限ったことではありませんが、育児をしていると答えが1つではないからこそ悩むことが多いですよね。でも、親が子どものためを思って出した答えは間違っていないと思います。どんな専門家よりも我が子のことをよく見ている親が出した答えは間違っていません。自信を持ちましょう。ただ、ここで忘れてはいけないことは、“子どもをよく見ているか”、“子どもの気持ちと自分の気持ちを混同していないか”ということです。
子どもの様子をまずよく見ましょう。悲しんでいるのか、落ち込んでいるのか、入試に落ちてしまったことをどう受け止めているのかを観察して、可能であれば気持ちを聴いてみましょう。無理に聴き出す必要はありません。相手が話すことを聴いてみましょう。励ます必要はありません。親から見たら「そんなに責めなくても」と思うことがあっても、「もっと頑張ればよかったと自分を責めてしまうんだね」と聴きましょう。
逆に「もう少し反省してほしい」と思うこともあるかもしれません。「受験なんて大したことない」と言う子に腹が立つこともあるかもしれません。でも、そこはちょっと我慢です。ダメージを直視できる段階にまだないのかもしれません。「そうか、そんなに落ち込んでいないのか」と返しておきましょう。「また話したいときが来たら聴くからね」とも言っておくといいですね。