文化の日の11月3日、「秋の叙勲」の受章者が発表されました。
北海道内からは、192人が受章しましたが、そのひとりを取材しました。
アイヌ文化が色濃く残る、平取町二風谷。
ここに住む82歳の貝澤雪子さんも、受章者のひとりです。
貝澤さんが織っているのは、二風谷のアイヌ伝統工芸品に指定されている「二風谷アットゥシ」です。
織り続けて63年。作業は1日10時間にも及ぶといいます。
今回、長年にわたり従事し成績を挙げた人に贈られる、瑞宝単光章を受章しました。
貝澤さんは木の樹皮を剥ぎ、糸を作って織ることで、小物や着物を作っています。
母親の手伝いで、9歳の頃から糸作りを始め、19歳で結婚。
義理の母に織り方を教わった「二風谷アットゥシ」を、82歳になった今も織り続けています。
「最初、手に触れたときから大好きな仕事だった。やればやるほど難しさが増してくるんですけど、やってきて良かったなって」と喜びを語ります。
36歳の時、病気で夫を亡くしましたが、以後ひとりで、4人の子どもを育てあげました。
夫が経営していたお店を引き継ぎ、必死になってアットゥシを織る合間に彫刻をして切り盛りするなど、さまざまな苦労があったといいます。
そんな中でも「二風谷アットゥシ」を織る手は、決して止まることはありませんでした。
博物館にも、数多くの作品が展示されている貝澤さん。
80歳を過ぎた今でも、向上心が創作を支えています。
「気にいったものはないですね。今度こそは、という思いでやっています」
貝澤さんは、これからも作品を作り続け、アイヌの伝統を紡いでいきたいと話しています。
文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部 あい
※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2023年11月3日)の情報に基づきます。
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