2023.10.29
暮らす「行政だけでやっていたら、地域の人が実感を持てないですし、行政プラス地域の方がやるのがいいのかなと思います。今回草刈りに参加していた地域の方に、『クマを見たことがありますか』と聞いたら、見たことがある人がいなかったんです。それでも『ニュースを見て』などで意識を持って参加してくれている人がいる。そういう人が、若い人とか、もっと参加してくれたら、クマ対策は進むのかなと思います」
今回の実験では、パネルを使って可視化できた草刈りの効果だけでなく、学生たちの言葉も印象的でした。
プロジェクトには、下川さんや、以前Sitakkeの記事でもご紹介した北海道大学大学院の伊藤さんなど、クマの研究をしている学生のほか、北海学園大学の、クマの専門知識を持たない学生たちも参加してくれています。
HBCと北海学園大学で作る「もんすけラボ」(※1)のメンバーの中で、「クマ対策に興味がある」と手を挙げてくれた学生たちです。
彼らは下川さんや伊藤さんにクマの生態について質問しながら学んでいき、実験に際して、「大人目線だけではなく、子ども目線でも考えたい」と地域の方の動機に寄り添った提案をしたり、「専門的な調査は下川さんたちに頼る分、草はたくさん刈ります!」と意気込んでザクザク刈ったりと、自分にできることを探して取り組んでくれています。
クマについて「知らない」ところから、「知る」段階、「行動する」段階へと、楽しそうに進んでいく姿を目の当たりにして、こんなふうに前向きに「じぶんごと」にしていくことが、クマ対策のカギなのかなと、気づかせてもらいました。
草刈りだけで、クマの出没がゼロになるわけではありません。それでも、ただ怯えるだけではなく、私たちには「できることがある」と、前向きに考えてみませんか?
「クマとまちづくり」プロジェクトでは、学生自身も気づきをSitakkeで発信してくれます。ぜひ一緒に、「できること」をひとつずつ、見つけていきましょう。
連載「クマさん、ここまでよ」
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【ヒグマフェス2023】
・11月3日(金・祝)10:00~18:00
・札幌駅前通地下歩行空間(チ・カ・ホ)北3条交差点広場
・無料、入退場自由
・詳細はホームページからご確認ください
・主催:北海道、事業実施:HBC
ただクマに怯えて暮らすより、あなたと大切な人の命や暮らしを守るために、正しい知識を学んでみませんか?
11月3日(金・祝)、札幌の地下歩行空間でお待ちしています。
※1:もんすけラボ
HBCと北海学園大学が2019年に開設した若年層向け協創型メディアシンクタンク「北海道次世代メディア総合研究所」の愛称。学生・教員とHBCスタッフがアイデアを出し合い、実践活動につなげています。
※再配信部分の内容は、元の記事の配信時の情報に基づきます。