おすすめのボーナスの使い道としては、貯金、投資、消費の3つに分けること。
1つ目の貯金は、安全性の高い金融商品、かつ、お金が必要になった際にすぐに引き出すことができるようにしておくこと。生活防衛資金です。
ここは月収の3~5か月分くらいを目安にプールしましょう。もし貯まっているのであれば、しすぎないこと。安全だと思って現金を貯めようとする方もいますが、今の超低金利では貯金をしても利息がつかず増えません。国は経済の発展のため2%のインフレを掲げていますが、2%以上の金利でお金を増やさないと、お金の価値は時間の経過とともに目減りしていきます。必要以上に貯金にお金を回してしまうと、投資に回していれば得られたお金や自身の消費活動に割けるお金が減ってしまうことになります。
2つ目の投資は、税制的に有利なNISA、もしくはiDeCoなどの制度を用いて増やすことを目的にしましょう。投資は長期的な視点で行う必要があるため、即座に現金に戻すには向きません。そのため、今すぐには使わない分のお金を投資に回しておくのがよいです。年齢や家族構成にもよりますが、独身であれば全体の3割は投資に回したいところです。
3つ目の消費は、貯金や投資は防衛資金や老後資金のため、少々ストレスを感じる方が多いと思います。ですが、貯金と投資を差し引いた額のなかで、自身の趣味に使う、キャリアアップのための自己投資の資金に回す、といった各人の趣向にあった消費活動が必要だと考えます。
3つの使い道に1/3ずつ配分することで、将来の自分にお金を残しつつ、現在の自分に対しても仕事をがんばったご褒美を与えることもでき、有意義なボーナスの使い方になると考えます。
ボーナスを当てにして“ボーナス払い”をしていた若かりしころの筆者。なにに使ったのかわからないまま、いつもいつの間にか消えてしまっていました。なにか形かスキルとして残せるものにすればよかったと反省しきり。今はボーナスのない働き方をしているので懐かしく思えます。消費ばかりではなく投資にも、貯金ばかりではなく消費にも、バランスよくご機嫌に使ってくださいね!
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文:FP鶴羽(ファイナンシャルプランナー)
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【ライター:FP鶴羽 PROFILE】
旭川在住の元陸上自衛官。
バブルの頃に野山を駆け回っていた見た目とギャップありのワイルドだろう系アラフィフ。
お金に疎すぎて色々と失敗を重ねたことをバネに現在は家計の専門家ファイナンシャルプランナーとしてセミナーやラジオでお金の情報発信中。
【参考】
令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況/厚生労働省
第58回Ponta消費意識調査2023年6月発表夏のボーナスの使い道、「貯金・預金」が10年連続1位~貯金・預金の用途は、「将来の消費への備え」が10.9ポイント減少し、40.9%~/株式会社ロイヤリティマーケティング
【画像】makaron*、tomcat、ELUTAS / PIXTA(ピクスタ)