イベントのサイン会で、私が印象的だと思ったのは、ファン一人一人への声かけ。
「DM(ダイレクトメッセージ)くれたよね?」
「イベント来てくれたよね!覚えてるよ!」
このことについて聞いてみると…。
なんと、SNSのフォロワーの名前やこれまでのイベントで会った人のことは、ほぼ記憶しているんだそう。
「基本的に、学校のクラスの人の名前とか、人の名前を覚えるのが苦手なはずなのに!」
なんて笑っていましたが、
「きっと応援してくださるのが嬉しいから、自然に覚えられるのかもしれない」と、自己分析していました。
また、SNSのフォロワー数が増えたことで、起きた日常生活の変化についても聞いてみました。
するとまず一言。
「最近、旅先では、声をかけられなかったことがないんですよ!」
葦原さんがそこに感じた手ごたえは「自分が」有名になったことではありませんでした。
「いままで、車いすユーザーに声をかけたことがなかった人がほとんどだと思う。その中で私自身が、車いすユーザーに声をかけやすい雰囲気を作れているのなら、それは大きな変化」
自分の活動が、健常者の前にある“ハードル”を取り払うきっかけになっているのでは、と自信をのぞかせていました。
そして、プライベートな質問もしてみましたよ!
トークショーで結婚願望があることも明かした葦原さんに、どんな相手がいいか聞いてみました。
「自分と価値観が違う人がいいな」
「自分にない感覚や視点を持っている人といると、新たな発見があって楽しそう!」
葦原さんの話を聞いていると、「違う視点」というワードが頻繁に出てくるなと感じます。
葦原さんは、10代で車いすユーザーになった「中途障害者」。
健常者と障害者、それぞれの視点を経験したからこそ、物事は一方向からだけではなく“複数の方向から見ることができる” ことの意味を、より知っているのかもしれないと私は感じています。
そして葦原さん、結婚相手に求める条件が、もう一つあるそう。
「虫を退治できる人!」
そういって笑う等身大の姿は、周りの人もたちまち笑顔にします。
今、この時間を常に楽しんでいきたい
SNSを中心に活動を続けている葦原さん。
最後に、この先に見据えているものについても聞いてみました。
これまでフォロワーを増やし、注目を集めてきたSNSでの活動については…
「インスタグラムやTikTokなどでの発信は、知ってもらう“きっかけ”であり、入り口」と明確に位置づけているといいます。
「これまでは『インフルエンサー』という肩書で紹介されることが多くて。『何の仕事してるの?』と言われることも多かったんです」
だからこそ、SNSでの発信はもちろん活かしつつ、「本業」に力を入れたいのだといいます。
「『モデル』としての認知を高めたい。テレビなどでのタレント業も強めていきたいです」
そして息をつく間もなく駆け抜けてきたからこそ、見えてきた希望もあるといいます。
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