「やばーい、急がなきゃ!」
とびきり明るい声が響きます。
札幌市内の書店に車いすで現れたのは、モデルでインフルエンサー、25歳の 葦原海(あしはら・みゅう)さん 。
それをほっとした表情で見つめるのはHBCの 森田絹子アナウンサー です。
森田アナウンサーは夕方の情報番組「今日ドキッ」のMCであり、元々、葦原さんの大ファンでもあります。
普段は、スタジオからニュースやグルメをお伝えすることが多い森田アナウンサーですが、去年、「ぜひ、私に!」と自ら志願して葦原さんのインタビュー取材を実現しました。
■両足を失っても、明るさは失わない。多くの人々の心を惹きつける彼女の生き方。
「前向きで明るい」。
そんな言葉を120%具現化したような葦原さんの姿にますます惹きつけられた森田アナウンサーが、再び、札幌を訪れた葦原さんの「今」を聞いてきました!
1年ぶりの「再会」。
でも「あ、いつも通りの海さんだ(笑)」と、私の緊張も一瞬でほぐれました。
葦原さんが札幌を訪れたのは、初出版となるエッセイ『私はないものを数えない。』(サンマーク出版)の発売イベントのため。
本の記述で、象徴的な言葉があるんです。
『実は、足がないことよりスマホがないことに絶望した!』
葦原さんが車いす生活になったのは、16歳のとき。
交通事故で両足を切断しました。
でも、病院のベッドで意識を取り戻したとき何より気がかりだったのは、友達との連絡手段であるスマホがないこと。
歩けなくなることの不安や足がなくて嫌だという気持ちは一切なかったといいます。
「できないこと」より「やりたいこと」 。
変えられない過去のことを悔やむより、今の環境で何ができるか。
葦原さんは、ただそれだけを考えているのです。
そんな葦原さんは、車いす生活となってから、自らの日常や、モデル活動の様子をSNSで発信しています。
SNSの総フォロワーは70万人超え!(もちろん私もフォロワーの1人です!)
時にはトイレや入浴の様子…
着替えの仕方まで。
単純に疑問に思うけど、当事者になかなか聞ける機会もない。
そんな「一番リアル」な部分を公開しています。
「『知る』ことで、障害がある人とない人がフラットになると思うんです。障害のある人のことをもっと知ってほしい」
これは、葦原さんが活動をする上で、一貫している思いです。
今回のイベントでのトークショーで、ある質問が飛びました。
それは「出てみたい番組はありますか?」というもの。
葦原さんは、これまで福祉関係のテレビ番組に出演してきましたが…
その回答に私は少し驚いたんです。
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