当時、ププリエで雇っていたスタッフの退職により、お店は両親の2人のみに…。
その状況を見ていた、妹の規子さんは、東京の志穂さんに、ププリエで働くことを打診します。
東京では作り手としての仕事は未経験で、お店に戻ったら後悔するのではないか、と悩んだという志穂さん。
いずれププリエに戻る覚悟はあったものの、それはあまりにも早いタイミング。
それでも…
志穂さんは、お店のため、両親のため、前向きな気持ちでププリエに戻ってきました。
まず、一番はじめに学んだのは、看板商品のチョコレートケーキでした。
チョコレートは分離しやすく、温度管理がとても難しいと言います。
ププリエでパティシエとしてのイロハを学び始めて、およそ7年。
新型コロナウイルスによりお店は“一時休業”に…。
しかし、ここで起死回生のスイーツが誕生します。
それが…「ガレット」。
ガレットとは、フランス発祥のそば粉で作るクレープのこと。
一般的にはお皿に乗せられ、食事として食べられることが多いガレットですが、志穂さんが作っているのは片手で持てるクレープ型のものでした。
イートインができない時期があったので、外で持って食べられるメニューとして思い浮かんだと言います。
ガレット生地には、道内では黒松内町でしか作られていない、幻のそば粉「奈川」を100%使用。
そこに道産バターと砂糖をかけてキャラメリゼし、香ばしく焼きげた生地をくるりと巻き上げます。
トッピングは生クリーム、キャラメリゼしたりんご、ラムレーズン、キャラメルソース、その上にはバニラアイス。
これこそが、志穂さんオリジナルの見た目も可愛らしいスイーツ系ガレットの完成です。
※ガレットの販売日はお店のInstagramをチェックしてください。
コロナ禍の影響を逆手に取ったスイーツですが、当初は「ケーキとガレットを両立できるのか...」という不安もありました…。
そんな、お母さんの心配とは裏腹に、今やお店の人気スイーツに!
「ずっと東京にいたらどうなっていたか…と考えることがある」という志穂さん。
でも、「戻ってきたからこそ、出会えた人がたくさんいるので、何も後悔はない」と言います。
今後、お店は娘さんに継いでほしい…?という質問に…
「志穂さんのやり方があるならそれでいい。」と父の政弘さん。
「一人になったときのことはまだ考えられない。家族3人あっての“ププリエ”」と志穂さん。
これまでに歩んできた45年間。
家族で紡ぐお店はこれからもずっと…
※掲載の内容は番組放送時(2023年9月20日)の情報に基づきます。