「天気を味方にすると、暮らしはもっと快適になる!」をテーマに、毎日の生活に役立つお天気情報の”見方”を気象予報士がお伝えします。
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「気象予報士の日」を知っていますか?実はこの日と、天気予報がテレビ局によって違うことと関係があるのです。
今ではよく耳にするようになった「気象予報士」。
これは1993年の気象業務法の改正によってできた国家資格です。1994年(平成6年)8月に第一回となる気象予報士試験が行われました。その「試験日」にちなんで 8月28日は「気象予報士の日」 と言われています。
令和5年4月28日現在、全国で11690名が気象予報士として登録されています。そのうち北海道では559人が登録しており、都道府県別に見ても6番目に多くなっています。(東京、神奈川、千葉、埼玉、大阪に次ぐ)
以前は、一般向けの天気予報は国の機関である「気象庁」だけが発表していました。この予報に合わせて天気キャスターは解説をしていたため、テレビでもラジオでも天気予報は一緒でした。
しかし、気象庁から提供される予測データを、適切に利用できる技術者を確保することを目的として資格制度が生まれ、「気象予報士」が誕生したことによって民間の気象会社でも独自の天気予報が発表できるようになりました。
このため、気象会社やテレビ局によって雨の降る時間や予想気温など多少の違いが生じるようになったのです。
気象庁から提供される予測データは各社とも同じものですが、そのデータの中には計算方法の異なるさまざまなパターンが含まれています。低気圧の進路や雨の量、気温についても計算が変われば、予報も微妙に変わってきます。
天気予報を作成する場合、その数あるパターンの中のどれを選ぶかが重要になります。
また、地形などによる局地的な特徴や予報士の経験なども加味し、予報を組み立てていくのです。極端に言うと、予報士の数だけ、予報が違うとも言えるのかもしれません。
またテレビ局ごとに、より分かりやすく伝えたいという考えから、独自の「天気マーク」もあります。雨は雨でも?や☂、☔など強弱を可視化したり、風や霧を強調したりとさまざまです。
予報がバラバラのときは、それだけ予報が難しいということが言えるでしょう。
いずれにしても「当たる天気を、生活に役立つ予報を伝えたい」という気象予報士の熱い想いはどの放送局も一緒です。
そして最後に……私から言えることは「これからも HBCの天気予報をよろしくお願いします」♪
<PROFILE>
文・イラスト: HBCウェザーセンター 気象予報士 児玉晃
HBCテレビ「今日ドキッ!」の番組内でも独特(?)なイラストを使って天気をお伝えしています。HBCウェザーセンターのインスタグラムも開設!予報士のゆる~い日常も見られますよ。