2023.07.12
深める日本海に面した、北海道・積丹町。
青く美しい海は「積丹ブルー」とたたえられています。
その一方で、海岸に目を移すと…。
ペットボトルに発泡スチロール、漁網や漁具などのプラスチックごみが打ち上げられています。
このごみを、地域おこしにつなげようとする人がいます。
積丹町の地域おこし協力隊、細川菜々子さん・24歳。
週末は町内の観光地でごみを拾っています。
男性の隊員が大きなごみを拾うなか、細川さんが集めているのは1センチから2センチほどのエメラルドグリーンの破片。
これらは「海洋プラスチックごみ」です。
海に捨てられたプラスチックは、波に漂っているうちに細かく砕けて、やがて5ミリ以下の破片「マイクロプラスチック」になります。
これを魚が食べ、さらにその魚を人間が食べることで、人体や生態系への悪影響が心配されています。
細川さんは「海岸沿いを見て、すごくごみが流れ着いているところに目がいってしまったから、もうちょっと喜んでもらえることは何かないか…」と考えました。
そして、美しい海が抱える深刻な問題を伝えるために、ある取り組みを進めています。
積丹の風景をイメージしたアクセサリー。
キラキラと輝くのは、海岸で拾ったプラスチックごみです。
細川さんは、ごみを利用した「海プラジュエリー」作りに取り組んでいるのです。
最初は個人の趣味でしたが、去年から町民や観光客を対象に体験会を開いています。
紫外線を当てると固まる樹脂を型に流し込み、好きな色のプラスチックを入れます。
紫外線を当てて、10分ほどでアクセサリーに生まれ変わりました。
体験会の参加者は「ごみが特別なモノに変わるというのは、新しい体験」「積丹の海で見つかったパーツで作ることで、積丹の思い出になるのがいい」と笑顔を見せました。
評判は上々で、積丹ブルーと海の幸とともにマチの新たな観光資源になりつつあります。
細川さんは、「海洋プラスチックに触れる機会は今までなかったと思うけど、日ごろから意識して生活してもらえればいい」と話していました。
「やっかい者」を「宝物」に。
海を守る思いが、輝きを放っています。
連載「じぶんごとニュース」
文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい
※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2023年7月3日)の情報に基づきます。
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