今年で創業109年目を迎えるいか塩辛製造の老舗『小田島水産』。昭和初期から変わらず杉の樽を使って熟成させる「木樽仕込」の製法でおなじみのこちら。実は昨年9月からひっそりと「工場併設酒場」の営業を開始し、耳の早い飲兵衛たちの話題の的となっている。
もともとここは直売スペースで、看板商品の木樽仕込の塩辛や塩辛アヒージョ等の加工品から一般市場には出回らない業務用の麹入り塩辛やゴロ入り塩辛などを販売。なにせ種類が多いため、訪れた客には塩辛の食べ比べを提供していた。その際に「酒がほしい」「白い飯が食べたい」と頻繁に言われるようになったため、老朽化した水道配管の工事の延長で飲食店営業に必要な手洗い場やシンク台等の設備を整え、営業許可を取得してここを酒場化した。
塩辛バルという店名通り、品書きには10種の塩辛食べ比べのほかに、塩辛チャーハン、塩辛焼きそば、塩辛パエリア、塩辛じゃがバターのせ等、まさに塩辛料理のオンパレード。酒は道南の蔵元・箱館醸蔵の日本酒『郷宝』をはじめ、ビールやハイボールなど各種あり。開業してまだ数ヶ月だが、ブログやSNSでの投稿をきっかけに口コミが広がり、すでに近隣住民、函館どつくや海上保安庁の職員、海洋センターの学生、そして漁師たちが訪れるようになり、独自の酒場ムーブメントを生んでいる。
函館市弁天町20-7
0138-22-4312
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