2022.09.22
深める札幌のまちを歩く、「カラフル」な人たち。
9月17日・18日に開催された「さっぽろレインボープライド」は、「性の多様性」を認め合う社会を目指すイベントです。
このパレードを前に、性の多様性について考え始めた、高校生がいます。
札幌新陽高校では、生徒の希望もあり、「LGBTQ+の生徒も安心安全に学べる高校」を考える、授業が設定されました。
札幌の中谷衣里さんが教壇に立ちました。中谷さんは同性のパートナーと暮らしていて、「同性どうしの結婚が認められないのは憲法違反」と訴える裁判の原告でもあります。
「ありふれた日常を送れなくなったときに『結婚制度』がいろんな人の困りごととかを保障してくれたらいいな」と話す中谷さん。
実はこれまで、裁判について取材を受けるときは顔を隠し、匿名であることを条件にしていました。しかし長年発信を続ける中で、親にパートナーとの関係を認められ、この日から顔を出して本名で活動することに決めました。
「いままで顔や本名を出していないことで、自分の活動でもあるのにどこか主体的になれない気持ちになっていた。今回オープンにすることで、自分の顔と言葉と名前を取り戻すことができたような気持ち」と話していました。
生徒たちはグループを組み、「性」をめぐり日常に潜む課題などを出し合います。
2年生の竹内花月さんは、「しぐさ」や「言葉」と書かれた付箋を指さしながら、「女子だから男子だからっていう先入観」があるのではと指摘。2年生の寺分彩芽さんも、「考え方を変えるところから」始めるべきではないかと、はきはきと意見を出しました。
一方、1年生の刈田羽琉さんは、なかなかペンが進みません。「偏見をどう無くすかがわかんない」と本音を打ち明けます。「機会があれば、当事者と話してみたい」
むかえた、パレード当日。あいにくの雨でしたが、800人もの当事者や支援者が歩き始めると、次第に晴れ間が見えてきました。
刈田さんと、同じく1年生の福塚緋莉さんは、沿道から応援します。2年生の竹内さんや寺分さんも駆けつけました。
パレードは、様々な人と出会い、互いの理解を深める場。
刈田さんは、「さっぽろレインボープライド」の副実行委員長・満島てる子さんに聞きたい質問を用意してきました。満島さんは、Sitakkeのお悩み相談連載でもおなじみの、札幌のバーの店長です。
刈田さんの「みんなにどういうことを伝えたり感じて欲しいのかなって」という問いかけに、満島さんは「LGBTQ当事者はみんなのそばにいるよということを強く感じてほしい。自分の大切なことを誰にも言えないっていう気持ちがずっとあたしの中にあったから、今オープンにできてとてもすっきりしている」と答えました。
刈田さんは、「いい人ばっかりで、変な偏見とか無くなった気がする」、福塚さんは「楽しくフレンドリーに関わってもいいのかなって。壁が下がった気がしました」と話していました。
全員で空へ飛ばした、虹色に光るシャボン玉。
パレードは、若者たちが「多様性の社会」を実感するきっかけにもなっています。
連載「じぶんごとニュース」
文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部IKU
※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2022年9月19日)の情報に基づきます。
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