視聴者からの疑問や悩みを調査するHBC報道部の「もんすけ調査隊」。
今回は番組スタッフから疑問が寄せられました。
「車によって曲がり方が違う交差点がある。どんな曲がり方が正解なのか調査してほしい」
さっそく現場を訪れました。
その現場とは、札幌プリンスホテルにほど近い、札幌市中央区南1条西11丁目。
“南1条通”と“石山通り”が交わる、大きな交差点です。
ここは片側1車線の南1条通りと、3車線の石山通りが交差するのに加え、路面電車の“札幌市電”まで通ります。
交通量が多く、右折する際には、かなり注意が必要そうです。
依頼したスタッフによると、「南1条通りから右折して石山通りに入る際、向こう側から対向車がきて互いに右折するとき、車によっては内回りになって曲がることと、外回りになって回ることがある。どっちが正しいのかすごく戸惑う」とのこと。
ちなみに、内回りとは、交差点の中心の内側を通ること。
対して外回りは、交差点の中心の外側を通ることを指します。
状況を整理してみましょう。
“南1条通”から“石山通”に入る場合、まず、右折待ちのために交差点内で一旦停車します。
このとき、交差点の手前側で待つ車もいれば・・・
このように中央寄りで待つ車もいます。
そうなると、 “内回り”で右折するときもあれば…
“外回り”で右折することも。
時には、内回りと外回りが、混在しているケースも。
交差点によっては、内回り・外回りを示す標示があります。
しかし、この交差点には何も書かれていません。
プロのドライバーも、“ここは難しい”と胸の内を明かしました。
大和交通のタクシードライバー、谷村卓哉さんです。
「市電に注意しなきゃいけない、対向車に注意しなきゃいけない、そして一番注意しなきゃいけないのは歩行者」
「考えなきゃいけないことが多いので、手前から減速して様子を見るのがプロの運転かなと思う」
と話します。
そして、谷村さんのタクシーに乗車していた取材時にも…!
交差点で右折待ちをしていた、谷村さんのタクシー。
対向車も右折しようとしているのですが、中央に寄りすぎてタクシーの進路を妨害しています。
そして、右折待ちをする場所がわからないようで、なんと、交差点でバック!
後ろの車も混乱していました。
かなり難易度の高い、この交差点。
たしかに、ドライバーによって、曲がり方がバラバラでした。
一体、正しい右折の方法とは?
現場に最も近い自動車学校、桑園自動車学校で話を聞きました。
副管理者の阿部満美さんによると、「交差点を右折する場合、交差点の中心のすぐ内側を徐行して通行ししなければいけないことになっている」 「なので、内回りで通るのが正しい方法になる」とのこと。
あの交差点は特に規制がないため、内回りが正解だというのです。
北海道警察によると、この交差点で、仮に“外回り”をした場合、『交差点右左折方法違反』にあたります。
違反点数は1点、反則金は普通車の場合、4000円です。
阿部さんは、「1台が外回りすると、心理的にこれが正しい方法と思ってしまう可能性もある」と指摘します。
「つられるのではなく、もしも1台が外回りで進んだとしても、おかしいなと、いったん止まる」
「一人一人止まる位置を意識してもらうだけで、外回りは回避できる」と教えてくれました。
ということで、調査結果は「内回りで曲がるのが正解」でした。
交通量が多く、さらに路面電車も走る、大きな交差点。
注意しなければならないことも多いですが、交差点は“内回り”が基本。
まずは基本に忠実に従って運転することが大切ですね。
調査・もんすけ調査隊 (HBC報道部)
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