2022.05.07
育む2023年開業の「北海道ボールパークFビレッジ」で、あそび場づくりを担う「ボーネルンド」が、「あそび」のヒントをお届けする連載「あそびで育む 親子のきずな」。
“あそびのプロ”である「プレイリーダー(※1)」が、今回は、親子で楽しむ「からだ遊び」をご紹介します。
生涯にわたってからだを動かすことを楽しみ、健康を維持するためには、幼少期にたくさんのからだの動きを楽しく体験することが必要です。子どもたちが「おもしろそう!」「やってみたい!」と感じ、からだを動かす楽しさに気づけるように導いてあげましょう。おもしろいからまたやりたくなる、あそびのアイデアをお届けします。
ボーネルンドのプレイリーダー、村井です。いつもはボーネルンドのあそび場や、幼稚園や保育園、自治体が行う子育てイベントで、あそびの楽しさや大切さをお伝えしています。
「からだ遊び」というと、何を連想しますか?ボール投げ、かけっこ、三輪車、ブランコなど、外遊びや体を大きく動かして、汗だくになる運動を思い浮かべませんか。
赤ちゃんから2歳頃までは、まだ汗だくになるほどの運動はできず、何をすればいいのかわからないという声もあります。乳幼児期には、手指を使ったあそびや、ボール転がしなども立派な「からだ遊び」です。
今回は、0歳から5歳頃の年齢・発達段階ごとにおすすめの「からだ遊び」 を提案します。
まずは、赤ちゃんの「からだ遊び」。おすわり、ハイハイの練習にもぴったりのあそびです。
赤ちゃんは、見えるもの、聞こえるもの、触るもの、すべてから多くの刺激を受けて、毎日すくすくと成長しています。おすわりができるようになると、視野が広がり、動作は一気に拡大。赤ちゃんの動きを引き出すあそび道具を使って、親子で楽しく遊んでみましょう。
【準備するもの】
・透明のボトルやペットボトル
・ボトルの中に入れるブロックや鈴、ビーズなど
・ビニールテープ
・ボール
【あそび方】
① 透明なボトルの中にブロックや音のなる鈴などを入れます
② 誤飲防止のため、しっかりとふたをしめテープでとめます。
③ ボトルを振るとどんな音がするかな?
④ ボトルを赤ちゃんのところへころころ転がしてみましょう
⑤ ボトルの代わりにボールを使ったり、ボトルの中身を変えたりアレンジして遊んでみましょう
カラフルなブロックやビーズ、音のなるビーズなどをボトルに入れて、ころころ転がします。目と耳でも楽しめます。
膝を立てて、傾斜をつけて転がせば、スピードアップ!
おすわりができる赤ちゃんなら、少し離れて、手作りのボトルやお気に入りのボールをころころ転がします。このように少しの工夫でもっと楽しくなるので、身近なものを使っていろいろ試してみてくださいね。
ハイハイができるようになると、追いかけ遊びが楽しめます。赤ちゃんがボトルやボールが欲しくて、手を伸ばしたら転がす。ハイハイで追いついて、届きそうになったらまた転がす。これを繰り返して、からだ遊びを楽しみましょう。
次は、バランス感覚を養うからだ遊びをご紹介します。
世界で注目されている「スラックライン」をご存じでしょうか?細いベルトのライン上を、バランスを取りながら綱渡りのように渡る、新感覚のスポーツです。おうちで気軽にスラックライン気分を楽しめる「テープで綱渡り」にチャレンジしてみませんか。
【準備するもの】
・マスキングテープや養生テープ
・長いひもや縄跳びなど
・タオル、クッション、おたまとボールなど
【あそび方】
① フローリングの床にマスキングテープや養生テープで一本橋を描きます。屋外の場合は長いひもや縄跳びなどでつくります。
② テープを綱の橋に見立て、そこから落ちないように歩いて渡っていきます。
③ 今度はカニさんのように横歩きで渡ります。
④ おもちゃのフライパンやキッチンのおたまの上に、ボールをのせて落とさないように渡れるかな?
ポイントは上半身でうまくバランスをとり、身体の軸がぶれないように一歩ずつ進むこと。
慣れてきたら、途中に障害物を置いてジャンプ!からだにクッションやタオルをのせて落とさないように渡ったり、後ろ向きで進んだり、おたまの上にボールをのせて渡ったり…家族でタイムを競っても盛り上がりますよ。
このように子どもの年齢に合わせて難易度をかえて遊ぶことができるので、幅広い年齢層で楽しめます。
最後に、準備いらずで子どもから大人まで楽しめる、からだを使ったゲームを紹介します。しりとりを「ことば」でなく、自分のからだを使って身振り手振り「ジェスチャー」で伝えるあそびです。
「ことば」は思いつくけど、どんな動きをすれば相手に伝わるのかな?というのは、なかなか思いつかないもの。相手の立場になって考えることが大切です。しっかり伝わった瞬間はとても気持ちが良いんです。2人以上の何人でも遊べますよ。
【あそび方】
① 最初のキーワードの一文字を決めます。
例)はじめのキーワードは「ね」
② ジャスチャーをする人は、キーワードから始まる言葉を思い浮かべ、からだを使ってジェスチャーで伝えます。
例)「ねずみ?ねこ?ねんど?ネギ?・・・よし、ねこの動きで伝えよう!」
③ ほかの人は、よーく見て何を表現しているか答えます。
例)「わかった!ねこだ」
④ 正解したらしたら、次の言葉をジャスチャーでしりとり。ジャスチャーする人、答える人は交代してみよう。
例)「『こ』から始まる言葉は…コアラ!」
「り」から始まる言葉は…「りす」、どんなポーズだと伝わるかな?
すぐに伝わったときはスッキリ、気持ちいい!
「するめ」をジャスチャーで伝えるにはこのポーズ!
…あれ?伝わらない。
制限時間を決めて、何回続くか数えてみよう。
必死に伝えようとするおかしな動作に思わず笑ってしまったり。子どもから大人まで年齢を問わずとても盛り上がるあそびです。
最初は、「ねこ」→「コアラ」→「ラッコ」など、身近なものの名前や動物などジャスチャーしやすい名詞からはじめてみましょう。だんだん慣れたら、「寝ているねこ」→「転んだゾウ」など、文章にしてみると難易度がアップします。
家族や友だちで、チーム対抗戦で遊んでも盛り上がります。手や足を動かしたり姿勢を変えたり、自然といろんなからだの動きが出現します。
いかがでしたか。親子でからだ遊びを楽しむコツは、まずは簡単なところからはじめて、少しずつ難しくしていくこと。子どもの「できた!」をしっかりほめると、自信につながります。
子どもの様子を見ながら、少し難易度をアップさせてチャレンジさせていきましょう。一緒にルールを考えてみるのも、「できるかな」「やってみよう!」と挑戦心をかきたてます。
そして、何より一緒にあそぶ大人も、思いきりからだを動かして楽しんでみてください。きっと子どもにも楽しさが伝わっていきますよ。
連載「あそびで育む 親子のきずな」」
(※1)プレイリーダーについて
ボーネルンドのプレイリーダーは、指導者ではなく、あそびが生まれるきっかけをつくる人。決まった遊び方を指示するのではなく、「こころ・頭・からだ」の成長につながるあそびを創出します。子どもの「おもしろそう」「やってみたい」という興味や関心、好奇心を喚起し、あそびの可能性を広げていきます。ボーネルンドのあそび場はもちろん、幼稚園や保育園、外部の催事イベントでもあそびの楽しさを伝える活動を行っています。
文:ボーネルンド
編集:Sitakke編集部IKU