「天気を味方にすると、暮らしはもっと快適になる!」をテーマに、毎日の生活に役立つお天気情報の”見方”を気象予報士がお伝えします。雪どけシーズンですが、いつもの年より雪が多かったこの春は一層、「落雪事故」に注意が必要です。屋根の上にはどのくらいの重さの雪が乗っているのでしょうか。
日中の気温が5度を超える日も多くなり、雪どけが進んでいます。ただ、札幌でも8シーズンぶりに積雪が1メートルを超えるなど、雪が多かったこの春は、雪の重みによる建物の倒壊のニュースがいつもより多くなっています。屋根の上には、想像を超える重さの雪が乗っているのです。
水分を含んだ雪の重さは、1㎥あたりおよそ300㎏と言われています。一坪(畳2枚分)の広さで約1トンになり、セダン型の乗用車一台の重さに匹敵します。一部の雪の塊が落下してきただけでも、とても危険だということが分かります。また、100㎡の家の屋根には、30トンもの雪が乗っている計算になります。
屋根の上に乗用車が30台、オスのアジア象(4~5トン)が6~7頭乗っていると想像すると怖いですね・・・。
これからは、雪どけが進み、落雪の危険性が高まるのは、晴れの日だけではありません。実は、日ざしがない曇り空でも、南風が強い日は注意が必要です。
極端な例を挙げると、南からの暖かい風をドライヤーの温風と仮定すると、風が強い方がより雪がとけることが想像できますね。
まだ、季節は進んだり戻ったりを繰り返す時季ですので、毎日の天気予報をしっかりチェックするのが大切です。屋根の雪おろしをする際は、周囲の様子も確認しつつ、必ず2人以上で声を掛け合いながら行うようにして下さい。
また、頭上だけでなく、足元の路面状況にも気をつけて下さいね。
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児玉晃予報士が所属する気象予報士クリエイター集団「サキドリーズ」が運用するYouTubeチャンネルてんきよほうでは、日本全国の天気や季節の話題をわかりやすくお伝えしています。