ここは北海道江別市の札幌学院大学。
「はいどうぞ!」と声をかけてくれたのは、札幌学院大学カウンセラーの卜部洋子さんです。
2017年、学生が悩みを話しやすい環境をつくろうと、カウンセラーの飼い犬だった「エース」が、セラピードッグとしてデビュー。いまは後輩犬の「オル」とともに、月2回、学生たちと触れ合います。
カウンセラーの卜部洋子さんは「ひとり暮らしする学生もいて環境の変化でさびしくなったりもするので、セラピードッグがいることで、ほっとしたり安らぎを感じたりすることもあるようです」と話します。
高齢化に加え、「生活の質の向上」という考え方も一般的になりつつあり、セラピードッグの需要は年々高まっています。
一方で、その数は、需要に追いついていないのが現状です。
北海道ボランティアドッグの会の高瀬忠則副理事長は「コロナで3年半活動が止まっていた。前に札幌市内では17箇所やっていたが、再開要請はきているけど再開できない。要するにイヌがいなくて」と話します。
この会では、コロナ禍の間セラピードッグの登録を一旦解除していました。
現在、セラピードッグは、ピーク時の半数を下回る56匹。
高齢になった犬が引退したことや、共働き家庭が増え、飼い主がボランティアに参加しづらくなったことが要因とみられています。
高瀬忠則副理事長は「訪問の要請がいっぱい来ているので応えたいとは思っているが、まずはセラピードッグを増やすことが目標」だと話しています。
セラピードッグなどの「コンパニオンアニマル」に詳しい帝京科学大学の山本真理子准教授は、セラピードッグを増やすためには、まずは取り組みや効果を、広く知ってもらうことが重要だと話します。
「飼い主さんが、こういう取り組みを知って、もしかしたら自分のワンちゃんと参加できるかもしれないという意識をまず持っていただけるといい。国や自治体が動物介在活動・療法に対して、効果を認識するようになって、予算がつくようになれば、安定的な動物介在活動も可能になってくると思う」
「北海道ボランティアドッグの会」の適性検査は、春と秋に行われていて、次回は9月下旬です。
活動しているボランティアは、自分の飼い犬と一緒に活動できることが楽しいし、何より、相手の笑顔がやりがいにつながると話していました。
文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい
※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2025年7月29日)の情報に基づきます。
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