今では忙しい1日を過ごす凜さんですが、中学生のときは不登校でした。
「全然学校に行けなかった。高校1年のころは熱が出たりもした」
高校に入学しても保健室登校が続きましたが、高校の環境が彼女を変えたといいます。
「人と話せなかったらいやだなと思って保健室に行くことが多かったんですけど、頑張れば話せるのではないかと思って」
南茅部高校に通う生徒の4割は、かつて不登校だった生徒です。
「人数少ないっていうのもあると思うけど、本当に人があたたかい」と凜さんは話します。
しかし南茅部高校は、3年後の2028年度で閉校することが決まっています。
入学する生徒が減少した影響で、2年後には募集を停止するのです。
そんな中、最後の卒業生になるかもしれない中学生にむけた体験会が開かれました。
凜さんも高校の魅力を一生懸命アピールします。
両親は「性格的に内気だったような子が、人とのコミュニケーションとか接し方とか変わってきた」「すごい勇気のいることだったと感じています。悩んでいる人が手助けになれる高校だったんじゃないかってすごく感じますよ」と話します。
楽しみにしていた学校祭。
ポスターは、絵をかくのが好きな凜さんが担当しました。
いつもはどこか寂しい教室も、今日は久しぶりに賑わいを見せています。
「ここの学校でよかったなって思うし、本当はもう少し残ってほしいなって思う部分もありますね」
閉校まで残り3年半。
今を生きるからこそ、悩みを抱えている子どもたちの”居場所”がまたひとつ消えます。
HBCテレビ「今日ドキッ!」のコメンテーターの松本裕子さん、野宮範子さんは、学校のそこにしかない価値に少子化時代だからこそ目を向けていくべきではないかと思いをめぐらせました。
いつか戻って来たいと思う若者を育む場だった高校がなくなるのは、教育の場がなくなるだけでない、地域にとっては大きな喪失になる可能性もあります。
子どもたちの居場所、故郷をどう守るか、私たちへの問いかけが続いています。
文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい
※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2025年7月26日)の情報に基づきます。
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