2025.07.23

暮らす

【クマとの事故を防ぐには・対策2選】ポイントは「知る」こと、「楽しむ」こと/北海道札幌・知床

クマ対策②ゴミ拾い(知床)

対策の2つ目はゴミ拾いです。
クマは本来、人に出会いたくないと思っていますが、ゴミなどで人の食べものの味を覚えると執着し、人や住宅地に近づく原因になってしまいます。

その課題に向き合うのが、知床のホテル「北こぶしリゾート」です。

「クマ活」での草刈り(画像提供:北こぶしリゾート)

「北こぶしリゾート」では2020年から、「クマ活」と題して、草刈りなどのクマ対策イベントを継続してきました。これまでに25回実施し、地域住民や観光客、学生などのべ700人以上が参加したといいます。

ことしで、知床は世界自然遺産登録20周年。新たな挑戦として、さんぽしながらゴミ拾いを行う“まち歩き型”のヒグマ共存体験プログラム「クマ活さんぽ」が始まります。

地域の有志団体「知床ゴミ拾いプロジェクト」とのコラボレーションで企画されたもので、ゴミを拾って知床のまちを歩きながら、地元の人や景色と出会い、「ヒグマと人がともに生きる地域のあり方」を体感してほしいという思いが込められています。

専用のクマ活バッグや軍手、地図を手に取るだけで参加できる(画像提供:北こぶしリゾート)

8月上旬から、系列ホテルの宿泊者を対象に行われる予定ですが、8月2日(土)にはキックオフイベントが開催されます。クマの生態にくわしい酪農学園大学の佐藤喜和教授を迎えた、特別レクチャーもあります。

・日時:2025年8月2日(土)午前9時~正午
・場所:知床ウトロエリア
・内容:知床ゴミ拾いプロジェクトプレゼンツ みんなで町を歩きながら、楽しくゴミ拾い!+佐藤教授による特別レクチャー

申し込み方法など詳細は北こぶしリゾートのイベントページでご確認ください。

なぜ、ホテルがクマ対策にかかわるのか。
北こぶしリゾートは、「ヒグマと人とがともに暮らすことは、簡単なことではありません。しかし、『関わり続けること』『知ろうとすること』『一緒に手を動かすこと』には、たしかな力があります。『クマ活さんぽ』は、そんな“持続可能な関係性の第一歩”として、私たち北こぶしリゾートが地域とともに育てていくプロジェクトです」としています。

さんぽしながら、知床の魅力を体感(画像提供:北こぶしリゾート)

高校生とホテルが始めたクマ対策。
少し意外な担い手かもしれませんが、100%がないのがクマ対策です。
ゴミのマナーなどたった少しの不注意で、人もクマも命を失う事態になります。だからこそ人任せにせず、自分たちの地域は自分たちでできることを、日常的に取り組むことが大切です。

せっかくなら、気軽に、楽しみながら参加できるようにしたい…
そう考えて、自分たちにできるイベントを継続的に実施し、クマ対策の輪を広げようとしている人たちをご紹介しました。

楽しみながら、クマ対策の担い手に仲間入りしてみてはいかがでしょうか?

Photo by ノノオト Hirose Masato

***

取材協力:困ったくま、北こぶしリゾート
知床のヒグマの写真は、北海道に生きる動物たちについての普及啓発を行っている「ノノオト」にご提供いただきました。

文:Sitakke編集部IKU

※掲載の内容は取材時(2025年7月23日)の情報に基づきます

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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