2025.07.08

育む

「ただただ、うれしい…」ママにゆったりランチとお昼寝…“産後ケア”の現場でみえたもの

担い手不足…収入を補うために別の仕事も

札幌市から“産後ケア事業”を委託された施設には、利用者1人あたり約7000円(訪問)から6万円(宿泊)の助成金が出ます。

ただ、梅本さんの施設では1日に受け入れられる利用者は2人ほどと限られています。
スタッフの給料も支払っているため、週50時間以上働いても、梅本さんの月収は約15万円です。

「"産後ケア"だけで収入が回っていかないので…。食費とかもすごく上がってきているので。食事もお母さん方に、しっかり出していきたい…となってくると経費もかかってくる」

そこで梅本さんは、収入を補うため、小児科で週に一度看護師として夜勤のパートをしています。

この日は午後6時から10時までの間に、20人ほどが来院。休む間もなく、問診などをこなしました。

“産後ケア”の利用率は15%ほど。十分に普及していないことも課題です。

産後ケアを受ける母親は「弱い」?

かつての札幌市の産後ケアには厳しい条件があった

札幌市は“産後ケア”事業を始めた当初、対象者について『家族などから家事や育児等の援助が受けられない』といった条件を厳しく設定していました。

しかし、利用のハードルを下げるため、2024年から対象を『すべての母親』に変更しました。

東京情報大学看護学部の市川香織教授は「ケアされて当たり前で、子育ては人手がいるんだよって、もっと気軽に産後ケアを使ってもらいたいと思っている」と、専門家の立場から話します。

“産後ケア”を必要とする全ての母親にサービスを届ける…。そのためには、行政が積極的に母親の背中を押すことが鍵になりそうです。

HBC報道部

毎日の取材で「気になるニュース」や「見過ごせない事案」を、記者が自分の目線で深掘り取材し、「ニュース特集」や「ドキュメンタリー」を作っています。また、今日ドキッ!の人気コーナー「もうひとホリ」「もんすけ調査隊」も制作しています。最近は放送にとどまらず、デジタル記事、ドキュメンタリー映画、書籍など、多くのメディアで展開して、できるだけたくさんの人に見てもらえるよう心掛けています。北海道で最初に誕生した民間放送の報道部です。

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