「天気を味方にすると、暮らしはもっと快適になる!」をテーマに、毎日の生活に役立つお天気情報の”見方”を気象予報士がお伝えします。
北海道では、雪の便りが届きはじめ、一歩一歩、冬へ進行中!今回は、ニュースや気象情報で、この時期よく耳にする“初氷”に注目します。
気象台では、さまざまな自然現象を観測し、「季節」の進み具合について、長年に渡り統計をとっています。冬へ向かうこのシーズンは、強まる寒さがいろいろな物を凍らせます。雨を凍らせて雪に、空気中の水蒸気を凍らせて霜に、そして水たまりも凍って氷が張ります。
晩秋に、初めて外で氷が張ることを、「初氷(はつごおり)」といい、道内8地点の気象台と測候所で観測されると発表されます。
では、どこに張る氷を観測しているのでしょうか?たとえば気象台周辺の水たまりだけに頼ってしまうと、雨上がりでなければ観測できないおそれがあります。
そこで、気象台では初氷が観測されそうな時期になると、水を入れたタライやバットのような容器を屋外に置いておくのです。
それを毎日、職員の方が見に行き、氷が張っていたら、「はい 初氷!」と、発表される仕組みとなっています。なんともアナログですが、タライやバットが立派な観測装置なのです。
その装置は、「 結氷皿」(けっぴょうざら)と呼ばれていますが、気温や風などを観測する気象台の露場(ろじょう)という場所に置かれますが、その形については特にルールがないといいます。
▼北海道内の気象台や測候所の「結氷皿」
ご覧のとおり、丸いモノ、四角いモノとバラバラのようです。中には、角の生えているモノもあります。札幌管区気象台の結氷皿は、入れ物のふちに、細い棒のようなものが何本か立っています。
何のための仕掛けかといいますと、なんとカラス避け!水を飲まれたり、汚されたりしないよう防御しているそうです
また、水を入れる量や深さにも特に規定はなく、水は汚れてきたら取り換えるくらいだそうですので
ご自宅でも玄関先に結氷皿を置いて、初氷の観測をしてみるのはいかがでしょうか?
道内8地点の初氷の平年日や去年・今年のデータについては、
札幌管区気象台のWEBサイトで公開されていますので、今年の冬の動向をぜひチェックしてみてくださいね♪
協力:HBCウェザーセンター
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