2025.05.24
深める室蘭市教育委員会の谷中聖治学芸員が統計に基づいてこう話します。
「室蘭の統計上、戦時中に養豚が急激に増えたという事実はない」
戦前から戦中にかけ、豚の飼育数に大きな変化はないというのです。
「養豚の数を聞かれるたびに見ていたが、あまり変化はない」
さらに、調査を進めると、思いがけない事実が。
「室蘭にほとんど豚なんかいなかった」
そう証言するのは、室蘭最古のやきとり店『鳥よし』の小笠原光好さんです。
店の創業は1933年。日中戦争以前です。
開業当時、鳥よしではどんなものを売っていたのでしょう。
「鳥よしは初めから豚。精肉は高くて食べられないから、主にモツ。おそらく帯広の豚だと思う。だって鶏がいないんだもん」
創業当初から、豚肉や豚モツを“やきとり”として提供していたと話します。
当時、値段が手ごろな“豚モツ”を、ほとんどの客が食べていたといいます。
つまり、戦争中に、鶏肉から豚肉に変わったわけでないようです。
「室蘭は豚肉が手に入りやすかった」というこれまでの定説には「そういうわけではない」と断言。
昭和初期、『鳥よし』の仕入れ先は、帯広や、北海道北部の名寄市周辺でした。
豚肉を入手するには遠方まで足を運ばなければならず、大変だったといいます。
しかし、“室蘭やきとり”が、豚肉であるという疑問はまだ残っています…結局はなぜなのでしょうか?
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