2025.05.19
暮らすそんな中、文部科学省と気象庁は3月末に、気候変動についての報告書「日本の気候変動2025-大気と陸・海洋に関する観測・予測評価報告書-」を発表しました。(以下、「日本の気候変動2025」)
この報告書は、日本の気候の「未来予想図」とも言える内容です。
2020年12月に公表した「日本の気候変動2020」をもとに、新たな科学的知見と最新の観測データを反映し、気温や降水量、台風、海面水位からオホーツク海の流氷に至るまで、これまでの傾向と将来の予測が書かれています。
さらに、札幌管区気象台は、北海道の振興局別にこれらのことに関して、より地域に密着した資料も発行していて、ぜひ道民の皆さんにも知ってもらいたい内容になっています。
そこで、この連載企画で、北海道の地球温暖化の現状と、これからどのような変化が予想されているのかを紹介してきます。
今回は、そもそも地球温暖化がどのように、そしてなぜ進んでいるのかを確認してみましょう。
地球温暖化とはその名前の通り、人間の活動の影響で、二酸化炭素などの温室効果ガスが増加し、昔(工業化以前)よりも地球全体の気温が上がることです。
地球の気温は、南極の氷床の解析から判明している80万年ほど前から、およそ10万年の周期という、とても長い時間をかけて、暖かい時期と寒い時期を繰り返してきました。
それに対して現在、世界の平均気温はわずか100年程度で0.8度ほど高くなっていて、地球の長い歴史の中でも異例の速さでの気温上昇となっています。
グラフの右側、1990年頃からの気温上昇がいかに速いか、わかりますね。