2025.05.06

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最後の児童は5人…地域と強くつながった小さな小学校「閉校」と向き合った最後の日々

行事は地域とつながっている

肌を突き刺すような寒さの、2月の朝。

スキーとストックを抱え、子どもたちが校舎から出てきました。
きょうは、5人だけではありません。
鈴川地区以外に住む子どもや卒業生も参加し、最後のスキー大会に挑みます。

滑る山は学校の正面、国道を渡ったすぐ先の農地にあります。
リフトはないので板を斜面に対し横にして、1歩ずつ上っていかなくてはいけません。
てっぺんまでのぼると、校舎とグラウンドを見下ろすことができます。

みんなはこの山を「鈴川国際スキー場」と呼んでいます。

山の上から大きなカーブを描きながら、1人ずつ練習した滑りを披露していきます。

撮影係も記録係も、保護者も担当します。
このスキー大会は学校行事にとどまらない、もはや「地域全体のイベント」です。

ジャンプ台も保護者の手作り。
スポーツが得意な、5年生の工藤瞳子さんも挑戦。保護者の歓声が響きます。

休憩中の校庭では、田中豊校長がスノーモービルを乗りこなし、会場の雪をならします。

鈴川小学校の行事は、この学校を愛する人たちのつながりの“証”です。

ビーチフラッグならぬスノーフラッグでは、大人でも膝上まで積もった雪の中をかけまわり、童心にかえって旗にむかってダイブ!

5年生の工藤瞳子さんの父親に「かなり全力で参加されていますね」と記者が声をかけました。するとなんとも力強い答え!

「当然ですよ!全力って言ったじゃないですか!」

大会のあとは調理室に全員が集まり、メダルの授賞式です。

田中校長は、「いつもこうやって大人たちが手伝ってくれてやれています。先生たちだけでは無理、それも鈴川のありがたいところだなと思うので喜んでちょうだい!」と挨拶。

「来年はこの山で大会はできないけど、また滑ることができたらと思う」と、5年生の小出琴さんは話してくれました。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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