2025.05.06

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最後の児童は5人…地域と強くつながった小さな小学校「閉校」と向き合った最後の日々

2024年度、北海道では29の小中学校が歴史に幕を下ろしました。
その1つの、ある小学校に密着しました。
  
閉校は寂しいだけじゃない。
100年以上にわたり、子どもの成長を見守り地域の絆を紡いだ学校の最後の記録です。

北海道の喜茂別町立鈴川小学校。町の中心部から10分ほど車を走らせると、国道沿いに広いグラウンドと、平屋建ての校舎が見えてきます。

昼休み。大きな和太鼓の音と、子どもたちの掛け声が校舎中に響きます。演奏していたのは、5人の児童です。

5・6年生のお姉さんたちが、低学年に熱心に指導していました。

壁一面に、手書きの譜面が貼られています。
太鼓の演奏は、先生の力を借りずに子どもたちだけで伝えてきた、この学校の伝統です。

6年生の加藤愛己さんは「いつでも、太鼓を広めるときが来たら広められるようにできたらいいな。閉校して太鼓ができなくなるわけだから…」と話します。

鈴川小学校は2024年度、116年の歴史に幕を閉じました。

鈴川小最後のメンバーは、5人の児童と2人の担任の先生、校長、そして勤続20年を超える校務員の金井光昭さんの9人。

給食も毎日、全員が揃って食べます。

鈴川小は、1950年代には145人もの児童が通っていました。
校務員の金井さんは、この地域の変遷を見届けて来た1人です。

「店もあって、汽車も通っていた。にぎやかな町だったんだけど」

いま鈴川地区に暮らす人の数は、全部で約150人。

学校行事には、おまわりさんも参加。
マチの郵便局長は、いま在籍する児童のお父さん。
祖父母の代から通う家庭もあり、小学校はまさに「コミュニティの象徴」です。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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