2025.04.29
出かける最後に紹介するのがカエデの仲間。
カエデといえば「紅葉」ですよね。
でも花は春の早い時期に咲くんです。
滝野の森で見られるカエデの仲間は大きく2種類。
1つ目がイタヤカエデ。
鮮やかな黄色い花が特徴です。春先は葉っぱも少ないので、森の中で黄色いものが見えたらおそらくイタヤカエデです。
青空をバックにサクラと並ぶと鮮やかさが増します。
最近話題になることが増えていますが、イタヤカエデは雪解けが始まる3月頃に樹液を採取して煮詰めるとあま〜〜〜いメイプルシロップを作ることもできます。
ちなみにあま~~~~~くするには40分の1まで煮詰める必要があるので、400ccくらいあってもこのくらいしか作れません。
もう一つのカエデがハウチワカエデ。
こちらは赤い花が咲きます。
一言でカエデと言っても花の色が全然違うんです。
このように春の森ではサクラだけではなく、さまざまな「木の花」を楽しむことができます。
そしてこれらの花が見頃になった時に、高い場所から森を見渡すと、花や葉っぱが淡いグラデーションとなってとてもきれいです。これを「春紅葉」と呼んでいます。
今回紹介した花の多くは4月下旬〜5月中旬までの、まだいろんな花が咲き始める前に咲きます。新緑の季節もいいですが、今年は早春の森を歩いて、個性的な木の花たちも楽しんでみてはいかがですか?
連載「森に行こう! ~身近な自然におもしろさが詰まっている~」
文:森の住人 KENTA
国営滝野すずらん丘陵公園 自然環境マネージャー。1978年札幌生まれ京都育ち。約6年間のサラリーマン生活を経て、森についての知識・経験ゼロの状態で滝野の森ゾーンの担当になり、様々なイベントの企画や広報、森づくりなどを担当。公園内にヒグマが侵入した際は専門家と一緒に現場の最前線で調査を担当。滝野の森staffXにて監視カメラを使った野生動物たちのリアルな様子などを発信中。
※掲載の内容は記事執筆時(2025年4月)の情報に基づきます。
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