2025.02.15
深める札幌で芸妓をしております、「こと代」と申します。 「芸妓」といえば、京都のイメージが強いと思います。
しかし北海道にも開拓期から道内各地に花柳界がございました。
現在は札幌のみになってしまいましたが、「さっぽろ 名妓連」には12名の芸者衆が所属し、毎日お稽古、お座敷などで活動しております。
連載「さっぽろ芸妓日記」では、札幌の花柳界の歴史や 文化などをご紹介していきたいと思います。お付き合いのほど、どうぞ宜しくお願いいたします!
突然ですが皆さま、「お化け」ってご存じですか? お化けといっても、ひゅ~どろどろどろ…の「おばけ」とはちょっと違います。
花柳界ならではの風習ですが、お節分の日に芸者衆がいつもと違う恰好に仮装する ことを「お化け」と呼んでいるんです。“化けて鬼から逃れる”、という意味合いがある みたいです。
他の街では、芸者衆が好き好きにチームを作り、仮装をしてお座敷をまわるそうです が、札幌はなにせ人数が少ないものですから、だいたいいつもひとまとめに「節分会」 というイベントを開催しているんです(ご贔屓のお客様方限定にはなってしまいます
が)。
ちなみに何に仮装するかは、毎年、置き屋のお母さんの鶴のひと声!でございます。なの で発表されるまで内心みんなドキドキなのです。笑
さて、先日行われた節分会(令和7年2月3日)の様子を少しご覧いただきたいと思い ます。
##じゃーーーん!こちらが、今年のさっぽろ名妓連の「お化け」です!! ##
今回はみんなで“七福神”をやらせていただきました。
「札幌をどり」でもお世話になって いる東京の松竹さんからお衣装をお借りして、着付け師さんにもお越しいただきまし た!(とっても豪華で贅沢なことです。有難や…。)
お師匠さんに振りをつけていただいて、七福神の姿で踊りも披露しました。
私は、こんな感じで恵比寿さんを担当させていただきました。
お髭や烏帽子など、普段することの無い装いに気分はルンルンでした。笑
七福神チームとは別に、禿(かむろ)に「化け」た、向かって左端のかつ恵姐さんと右 端のはな恵姐さんと一緒に。禿のお二人もお客様からとても好評でした!
普段とは違うことができるのもお化けの楽しいところ。お客様に少しでも笑っていただ ければ私たちもとても嬉しく思います。
さあ、次回はなにに「化け」ましょう…?来年もどうぞお楽しみに!
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連載さっぽろ芸妓日記」
文:さっぽろ名妓連 こと代
編集:ナベ子(Sitakke編集部)
<「こと代」プロフィール>
札幌生まれ、札幌育ち。2018年にお披露目して以降、現在も最北の花柳界「さっぽろ 名妓連」で芸妓として活動中。開拓期から続く北海道の花柳界文化をたくさんの方に 知っていただくべく日々奮闘中。飼い猫達と遊ぶことが日々の癒し。