2025.02.19

暮らす

「クマは人を食べものだと思う?」札幌のあるマチが、専門家と探した“事故を防ぐヒント”

北海道では近年、札幌の住宅地でも、クマが出没するようになりました。
なぜ変わってしまったのか?どうしたらいいのか?

クマに強いまちづくりの一歩を踏み出した、町内会があります。

連載「クマさん、ここまでよ

この記事の内容

・変わってきたクマと人の関係
・クマ好きな町内会?
・問題グマ「ナンバー18」と「ナンバー82」
・「クマは人を食べものだと思う?」
・町内会で見つけた、クマに強いまちづくりのヒント

変わってきたクマと人の関係

クマとどうつきあうか。1月、町内会で話し合うワークショップを開いたのは、札幌市中央区の円山西町です。

札幌市民にとっては、クマが身近なのは南区のイメージだったかと思います。しかし近年、西区や中央区でも出没が増えてきました。

ワークショップで配布された「円山西町周辺 過去約20年のヒグマ出没情報」

円山西町~藻岩山周辺では、2007年から2010年ごろにはまったく情報がありませんでした。
しかし2021年以降は、円山の登山道や、公園や病院の近くなど、住宅地でも出没情報がたびたび寄せられるようになっています。

クマの足跡(2022年12月31日撮影)

2022年の大みそかには、円山西町にある児童相談所などの敷地でも目撃情報がありました。初詣客が訪れる北海道神宮の近くということもあり、地域には緊張が走りました。

「クマ好きな町内会」?

ワークショップの主催は円山西町町内会と、野生動物と人について研究している北海道大学の学生ら

ワークショップは超満員!小さな子どものいる家族など、幅広い年代が集まりました。会場の隅から隅までイスを補充するほどの人数です。

実はこの町内会でクマ関連のイベントが開かれるのは、今年度だけで3度目だといいます。勉強会のほか、夏祭りでもクマについて知るためのブースを出しました。

町内会長の有賀誠さんは、冒頭のあいさつで、「年に3回もクマのイベントをする町内会は、ほかにないのでは。意識が高まって、天気の話の後にクマの話をするような、『西町の人ってクマの話、好きだよね』って言われるような町内会になったらいい」と話しました。

そのときの有賀さんも、話を聞く住民たちも、笑顔だったのが印象的でした。
かしこまった勉強会…というより、町内会のみんなが顔を合わせる、地域の楽しい集まり、という雰囲気でした。

クマの毛皮や頭骨に触れて学べるコーナーもあり、子どもも楽しんでいた。会場にはお茶やお菓子も用意されていた

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

この記事のキーワードはこちら

SNSでシェアする

  • X
  • facebook
  • line

編集部ひと押し

あなたへおすすめ

エリアで記事を探す

FOLLOW US

  • X