2025.02.19

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介護の担い手不足と「特定技能」の壁…外国人の熱意と制度のはざまに見えた課題とは

全国でも人手不足が、顕著に現れているのが「介護」の現場です。

介護人材を新たに確保しようと、北海道名寄市が手を組んだのは、ヒマラヤ山脈を抱く国「ネパール」でした。

シェルパ・ラクパさん(40)。
2年前の2023年5月、ネパールから人口約2万5000人の名寄市にやってきました。

「雪が楽しみ」と笑顔を見せるシェルパさん。
名寄市が運営する特別養護老人ホーム『清峰園』で、介護士として働いています。

清峰園ではいま、9人の外国人が働いています。

このうちネパールから来た人は7人。
シェルパさんは、利用者の介護をしながら、後輩の指導にもあたっています。

利用者からも「ネパールの人は真面目で一生懸命」「すばらしい」と太鼓判です。

今では、すっかり人気者のシェルパさん。
日本にやって来たきっかけは、世界を揺るがせた、あの出来事でした。

世界各地のマチから人の姿や賑わいが消えた、新型コロナウイルスの感染拡大。

当時シェルパさんは、ネパールの首都カトマンズで飲食店を営んでいました。

しか、外出制限によって店は営業が困難となり、やむなく手放すことになりました。

「コロナ禍のとき、3か月ぐらい店を開けるのが駄目になったとき、暇な時間にオンラインで自分で日本語を勉強して、試験を受けてきました」

「特定技能」と「技能実習」

シェルパさんをはじめ、清峰園の外国人介護士は“特定技能1号”として働いています。

“特定技能制度”は、2019年に始まった在留資格で、日本に滞在するための資格です。

1号は介護など16の分野で、最長5年間、日本で働くことができます。

似た言葉の“技能実習”は、日本で習得した技術を母国に持ち帰る制度です。

一方“特定技能”は、日本の労働力不足を解消し、人手を確保する制度で、中身は、まったくの別物なのです。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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