2025.01.21
暮らすクマについて調べた北海道札幌啓成高等学校は、「駆除だけでは生態系にダメージがある。人が知識を持ち対策すべき」「クマ問題をひとり一人がじぶんごとにする必要がある」と発表しました。
解決のためのアイデアが、「特産品を農業被害から守るために、クマ対策をしていることが町おこしにもつなげられるのでは」など、前向きでユニークなものでした。
「教員養成課程でクマの知識を学ぶようにして、まず先生がクマについて知ることで、生徒たちに啓発していけるのでは」など、高校生ならではの視点での提案もありました。
北海道札幌月寒高等学校は、クマ、シカ、キツネの3動物について調べました。
キツネは本来自分たちでエサを確保できるはずなのに、人が餌付けすることによって、人に慣れて距離が近づき、エキノコックスの感染リスクが高まることを指摘。
また、疥癬(かいせん)という病気になったキツネが餌付けされると、自分でエサをとれなくても長生きするため、ほかのキツネにも感染が広がるリスクが高まることも説明しました。
そして、「夏のキツネはやせていて、かわいそうでしょうか?」と会場に呼びかけます。
「夏毛だからそう見えるだけで、冬になればモフモフの冬毛になります。エサを与えるほうが、将来的にキツネに悪影響を及ぼしてしまうんです」
キツネについて調べるだけでなく、餌付けする「人」の気持ちも考えたことがわかる呼びかけです。
キツネの生態やリスクを広く知らせる必要があるとして、「疥癬にかかってしまったキツネなど、インパクトのある動画をSNSに出す」などのアイデアを出しました。これも、ショート動画に触れる機会の多い高校生ならではです。
3動物について調べたことで、「野生動物によって関わり方は変化する」という気づきもあったといいます。