大人になってから夢中になったのはヴィンテージシーツやユーズドシーツの収集だ。アメリカンアンティーク雑貨の中でも比較的入手しやすいことで世界中にコレクターが存在するこのジャンル。西岡さんも1950〜80年代に製造されたディズニー関連を中心とするカートゥーンの絵柄のベッドシーツやカーテン生地などを買い集めた。
やがてそのシーツを使って服をつくって販売したいと思うようになり、洋裁を教えてくれる人物を探した。「前の職場でたまたま洋裁学校を出て東京で服をつくる仕事をしていた女性に出会って、その方に洋裁を一から教えてもらいました。どっちかといえば洋裁って昔から苦手で避けてきたんですが、『このシーツをつかってこんな服をつくりたい』って欲望だけはすごく持ってたので一生懸命勉強しました」
4年間の準備期間を経て開業した店には、西岡さんの私物であるヴィンテージシーツを使ったスカートやワンピースが並び、いまやそれは店の看板商品だ。
「うちは個性的で目立つ服が多いので、正直地元ではまだまだです。函館の人って、目立つのが苦手じゃないですか(笑)。本当は若い子から大人まで来てもらえたら嬉しいんですけど、いまは30〜40代の個性的で主張のあるファッションが好きな人たちが定期的に買いに来てくれる感じですね」
店としてはまだ第一幕が始まったばかり。今後はメルカリショップでも商品の購入が可能になるとのことだ。
■【函館】光と影、今と昔が交錯する「朽ちていく美」の異世界。
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