2024.11.13

みがく

「昆布は染料になるのか」21歳、挑戦の夏。

未知の手法に挑戦する若者の物語

玉ねぎの皮、アボガドの皮、ニンジンの皮、紅茶やコーヒーの出がらし。布や衣類に色付けするための手法の一つ・草木染め(植物染め)においてよく使われる食材の一例だ。これらは草木染めを習得する際の初級編の素材として知られているため、染料にするためのノウハウについては少し調べれば山のように情報は出てくる。しかし、ここに「昆布染め」というネットや文献をあたってもその技術はおろか、情報のかけらさえ出てこない未知の手法に挑戦する若者がいる。

アベ ショウマさんは七飯町出身の21歳。函館稜北高校卒業後、マレーシアの大学に留学。経営学を学ぶかたわら、その実践として現地の大学生向けに古着屋を開業。その後オーストラリアに半年間滞在し、服づくりをゼロから学ぶ。

「メルボルンのマーケットで出会った古着屋のお兄さんがいて、その彼に洋裁の基礎を学びました。まずはネットでベッドシーツを買って、それを材料に服をつくり始めたのが最初ですね」

帰国後は全国の蚤の市をめぐり、またその土地で長く暮らしてきた人たちと出会い、不要になった古布や布袋、着物などを譲り受け、それらを素材に大沼に構えたアトリエで衣類の制作に打ち込んでいる。

マレーシアやオーストラリアで服の販売や制作していたときの様子。

アベ ショウマさん。自身の創作活動には『Reborn Integral(リボーンインテグラル)』と名付けた。「再生と、不可欠で一体化された様」を意味する。来年2月からフランスへ洋裁と大工の修業へ出る。

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