2024.10.27
暮らす札幌市内のある地域に集まった、約60人。前に立つ学生が、地図パネルを指さし、これから取り組むクマ対策について説明しています。
この後、後ろの茂みを指さしました。
「私が説明をしていたすぐ後ろに、ずっと“クマ”が隠れていたんですけど、気づきましたか?」
茂みから出したのは、クマの等身大パネル。
「こんなに近くにいても、全然気がつかなかったですよね。だから草刈りが必要なんです」
住民にできるクマ対策のひとつが「草刈り」。
クマは背の高い草や、川沿いの茂みなど、体を隠せる場所を好んで移動するため、「草刈り」をして、クマの通り道を遮るのです。
見晴らしを良くすることで、クマと人がお互いを見つけやすくなり、ばったり出会って事故にあうリスクを減らせます。
ことしはクマが指定管理鳥獣に追加されるなど、全国的な動きも出てきました。
長くクマとの共存という課題に向き合ってきた北海道では、「住民によるクマ対策」も継続されています。
札幌市は、2024年、町内会や学校などと協力して、9か所で草刈りをしました。
いずれも「常連」の地域です。
どんな場所で、誰が対策に関わったのかを振り返りながら、今後の課題を考えます。
連載「クマさん、ここまでよ」
【この記事の内容】
・2024年に草刈りを実施した9カ所を振り返る
・効果はあったのか?9カ所の草刈りから、見えてきた課題