2024.10.07

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私たちに「家族の絆」はないのか?別姓の両親の“選択”へ記者が向き合った答え

名字が違うことは、私には当たり前だった

「三栗谷」という名前を残したかった父。「山本」という名前を取り戻したかった母。

話し合いの末、結婚後3年で、法律上は離婚。
事実婚の夫婦として生きていくことを決めたのです。

両親は私と弟を出産するタイミングで婚姻届を出し、出産を終えたら離婚届を出す。
いわゆる「ペーパー離婚」を2度繰り返しました。

私自身は、両親の名字が違うことは当たり前だと思ってこれまで生きて来ました。
そのせいで周囲からからかわれたことも、両親からの愛情に疑問を感じたこともありません。

「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する」と定める現在の民法。
そもそも、日本で夫婦が同じ名字を名乗るようになったのはいつからなのでしょうか。

実は、長い歴史ではない

長年、夫婦の氏について研究する立命館大学の二宮周平名誉教授に話を聞くと、夫婦で同じ「氏」を名乗ることが明確になったのは1947年の民法改正。
そもそも、1876年に日本で初めて夫婦の姓が規定された時には「夫婦別氏」でした。
夫と妻それぞれが「生まれた家の氏を名乗ること」と定められていたのです。

ところが、22年後(1898年)に成立した民法で「家制度」が導入されると、「家」を単位として1つの戸籍をつくり、夫婦はともに「家」の氏を名乗る「夫婦同氏」となりました。

戦後の1947年の民法改正でも「夫婦同氏」は引き継がれ、今日まで続いていますが、日本における「夫婦同氏」の歴史は実はそこまで長くないことがわかります。

さらに、この1947年の民法改正当時から、夫婦別姓を認めるべきという声が上がっていたと二宮名誉教授は話します。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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