2024.08.30
暮らすそして防災センターでは「暴風体験」もできます。
風速10m/s、20m/s、30m/sの強い風を3D映像を通してよりリアルに体感することができ、暴風の危険性を身を持って知ることができます。
私たち気象予報士も想像を絶する風の強さで、思わず顔をそむけてしまいました。
バーにつかまりながらでも、立っているのがやっとです。
私・星井は髪が長いので、髪の毛で視界が遮られたりして、より危険だと感じました。
風速30m/sといえば「猛烈な風」と表現され、看板が落下、飛散したり、走行中のトラックが横転してしまうような風ですので、屋外での行動はきわめて危険です。
そして暴風といえば、この時期注意が必要なのが、台風です。
ことしは台風の発生はスローペースでしたが、8月に入り南海上で台風の卵となる「熱帯低気圧」が発生しやすい状態になっていて、8月は6個の台風が発生しました。
そして現在、直近で心配なのが8月22日に発生した台風10号です。
9月1日(日)にかけて西日本を東へ進む見込みで、引き続き、土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水や氾濫、高潮に厳重な警戒が必要です。
1日(日)には近畿から東海の付近で熱帯低気圧に変わる見通しです。その後、2日(月)以降は速度を上げて北上し、3日(火)にかけて北海道付近に近づいてくるおそれがあります。
北海道では週明けも大雨のおそれがありますので、引き続き気象情報にお気を付けください。
暴風や暴風雪といった荒れた天気となるときや、地震が起きたときは、停電のリスクも高まります。
停電は自然災害など様々な原因によって、一年中発生する可能性があります。特に地震は天気予報と違って、基本的には予測することができません。日頃から備えておきましょう。
たとえば最低限必要なものとしては、以下があげられます。
・懐中電灯
・携帯ラジオ
・乾電池
・スマートフォンのモバイルバッテリー
・備蓄食品、水(最低でも家族が3日間乗り切れる程度の量)
・カセットコンロ、カセットボンベ
・防寒着や毛布
・ポータブルストーブ、灯油
・現金(大規模停電では電子決済も使えなくなります)
・携帯用トイレ
2018年9月6日未明に起きた北海道胆振東部地震から、まもなく6年が経ちます。
北海道では、日本で初めてとなるエリア全域におよぶ大規模停電「ブラックアウト」が発生しました。そこから約99%が停電から復旧するのに、約2日かかりました。
私・星井は当時東京にいたのですが、札幌に住む親はスマートフォン用のモバイルバッテリーを持っていなかったため、連絡をしても返信がなく、心配でした。その後、モバイルバッテリーをプレゼントしました。
当時から札幌にいた児玉気象予報士、電化住宅なので苦労したものの、百均で買っておいた置き型懐中電灯が活躍したそうです。幸い、子どもはミルクを卒業していたので大事には至りませんでしたが、お湯も沸かせない状況だったので「危なかったね…」と夫婦で話をしたそうです。
あのときの経験を無駄にしないよう、今一度、停電への備えを確認しましょう。
防災について学ぶことは、自分と大切な人の命を守ることにつながります。
「札幌市民防災センター」では、いろいろな災害の疑似体験をしながら、防災に関する知識や、災害が発生したときの行動を学べます。
ご家族や友人同士で、体験してみてはいかがでしょうか。
【札幌市民防災センター】
・北海道札幌市白石区南郷通6丁目北2-1
・開館時間:午前9時30分〜午後4時30分
・入館料:無料
・休館日:年末年始及び第1・第3月曜日(祝日の場合は翌日)
※機器の保守点検などによる臨時休館があります。最新情報は施設にご確認ください
文: HBCウェザーセンター気象予報士 星井さき・児玉晃
HBCは気象庁の認可を2001年に得て以来、民間気象会社の一つとして「HBCの独自予報」を発信しています。
連載「気象予報士コラム・お天気を味方に」
天気予報のほか、天気に合わせた服装の選び方のヒントなど、HBCウェザーセンターの気象予報士が暮らしに役立つ記事をお届けしています。
※対談の写真は2024年8月、防災センターでの写真は2023年訪問時のもの。内容は記事執筆時(2024年8月30日)の情報に基づきます
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