2024.08.29

育む

引退馬に会えることの意味…競馬ファンじゃなくても家族で楽しいふれあいスポットを獣医師ママライターが徹底解剖!|北海道・苫小牧「ノーザンホースパーク」

競馬ファンにうれしいだけじゃない「引退馬」に会える意味

9月。夏季のみ開催の札幌競馬と函館競馬も終わり、中央競馬は通年開催の本州の競馬場のみとなります。
実はノーザンホースパークは競馬を引退した有名な馬たちに会える貴重な場所でもあるのです。

ここで、獣医師の私から、競走馬たちの現実と余生について少しお話させてください。

競馬を引退する時期は主に馬の状態で判断され、牝馬(メス馬)は繁殖用として生産牧場へ移動したり、牡馬(オス馬)は種牡馬となってスタリオン(種馬場)で活躍したりしています。

一般的に、競走馬はレース中や調教中にケガをすると、ケガの程度によって治療を兼ねた休養を行うか、もしくは引退するかが判断されます。

治療を受けて治る見込みがあれば競走馬として現役続行となりますが、治る見込みがないケースや治癒までに時間がかかってしまうケースでは、引退が選択されることもあります。

引退後は、乗用馬や繁殖牝馬として活躍できる馬もいれば、ケガの影響でそれすら叶わずに殺処分となってしまう馬たちもいるのが現実です。

一方で、大きなケガをして引退するケースでは、競走デビューしてすぐ(2〜3歳)の馬もいれば、デビューすらできずにこの世を去っていく馬たちも数多くいます。

「競走馬ってかわいそう…」と感じてしまう方もいるかもしれませんが、これが現代の馬として生まれた宿命です。
生まれた瞬間から多くの人が世話をして、調教をして、競走馬として活躍していく。
私も獣医師としてたくさんの馬に関わってきました。

決して馬は使い捨てなんかではなく、1頭1頭がたくさんの人の想いを背負って生きています。
なかなか一般の方には理解が難しいところなのですが「大切な馬につらい思いをさせない」という意味でも、ケガによる処分は最善の選択なのです。

そして、そんな中で大きなケガなく競走を無事に引退し、功労馬として余生を送っている馬たちは「特別な存在」といえるのです。
馬の寿命は25年ほどといわれていますが、功労馬として余生を送る馬の中には30歳近くまで長生きしている馬もいます。

そんな背景を少し覚えていただいて、ノーザンホースパークの馬たちにぜひ会いに行ってみてください。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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