ドローン撮影の難しさについて「技術的なことはさておき、まずは『気象を読むこと』と『空間を把握すること』がなにより大事で、一番難しいところだと思っています」と語る畠山さん。地上での撮影と決定的に違うのは、まさにここだ。
気象については、その日・その時間帯の予報をみればある程度予測や対策はできる。しかしそれが空の上となると、予報で知らされる天候・気温・風速・風向などはあてにならず、飛ばす際は慎重かつ繊細な判断を求められることになる。
空間把握についても、地上では目視によって撮影の仕上がりのイメージがある程度できるが、空撮だとそうはいかず、何がどのように映るか、またはそこに何があるかは飛ばしてみて初めてわかることがほとんどだ。その想定に加えて、画角や距離感の想定も加わる。ドローンによる撮影とは、シャッターを切る前、またはRECボタンを押してカメラをまわす前の準備こそが肝だということがわかる。
「だからこそ、“撮影をやめる勇気”が必要なんです。遠くの撮影現場までわざわざ足を運んだはいいけど、天候が乱れて飛ばすことが難しいという状況は多々あります。そのときに『やめる』という選択肢をとれるかどうか。正直なところ、せっかく時間をかけて足を運んだし、ギリギリのところを攻めたいという気持ちにもなる(笑)。そこで踏みとどまることが大事なんです。安全に飛ばすことが一番重要なことなので」
さて、ここでは畠山さんが撮影してきた空からの景色をご覧いただく。
我々は函館という国際観光都市で暮らしており、あらゆる場でこの街の美しさを写真や映像で触れる機会が多い。さらに道南というくくりにおいても、自然が織りなす美しい景色に囲まれており、それを常日頃自身の目でじかに触れている。しかし、空の上からではどうだろう。そこにはきっと、私たちがまだ見たことのない未体験の美しさが溢れている。
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