2024.05.28

深める

90歳の孤独…それでも。ベストセラーエッセイ『九十歳。何がめでたい』映画化!魅力3選

魅力③ エッセイを読む前でも、読んだ後でも

Ⓒ佐藤愛子/小学館

原作エッセイ『九十歳。何がめでたい』、『九十八歳。戦いやまず日は暮れず』(Ⓒ佐藤愛子/小学館)。

映画の中でも印象的だった、90年生きてきたからこその視点にハッとする言葉もありました。
映画では描かれなかった、実際のニュースや社会問題に切り込む話もあり、「"みんな"がああ見ていたニュースをそう見るんだ」と驚いたりしました。
軽く、面白く読めるのに、読んだ後には余韻が残るのです。

反対に、エッセイにはなかった映画ならではの楽しみも再発見しました。

映画で描かれるのは、エッセイが誕生するまでのストーリーと、エッセイを書くことによる佐藤さん自身や周囲の変化。

Ⓒ2024映画「九十歳。何がめでたい」製作委員会 Ⓒ佐藤愛子/小学館

唐沢寿明さんがコミカルに、かつ真剣に演じきる、個性的な編集者・吉川真也が、映画だからこその見どころの一つです。
吉川と家族のストーリーには、エッセイから力をもらう読者の姿のひとつが表現されているように感じました。同時に吉川も、佐藤先生に大きな影響を与えていきます。

木村多江さんや三谷幸喜さんなどなど、豪華なキャストが演じる、周囲の個性的なキャラクターたちも、映画全体の明るい雰囲気や痛快さを生み出しています。

Ⓒ2024映画「九十歳。何がめでたい」製作委員会 Ⓒ佐藤愛子/小学館

真矢ミキさんが演じた佐藤さんの娘、藤間爽子さんが演じた孫も魅力的。2人の演技はもちろん、衣装や自宅セットにもこだわりを感じました。

Ⓒ2024映画「九十歳。何がめでたい」製作委員会 Ⓒ佐藤愛子/小学館

草笛さんと唐沢さんは、なぜこんな衣装を着ているのか、何をしているのか…
ここも観ていて楽しいシーンの一つです。

エッセイを読まずに映画を観ても楽しめ、後から読んだエッセイも楽しめました。
反対にすでにエッセイを読んだ方にとっても、どう映画化しているのか、どのようにエッセイに登場するエピソードが盛り込まれているのかを楽しむことができると思います。

楽しいだけではない人生、生きづらい世の中。
去年100歳を迎えた佐藤さんの人生にも、たくさんの苦労がありましたが、その乗り切り方がすごいのです。

人生100年時代。これからを前向きに生きるためのヒントを探しに、映画『九十歳。何がめでたい』を観てみてはいかがでしょうか。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

この記事のキーワードはこちら

SNSでシェアする

  • X
  • facebook
  • line

編集部ひと押し

あなたへおすすめ

エリアで記事を探す

FOLLOW US

  • X