2024.05.02

食べる

【函館】あの時の思い出がよみがえる。変わらない恋しい味に出会えるお店たち

『カレーとサラダの店 モリタ』から『ラムズイヤー』へ。

今から40〜45年前の1980年代前半。函館にあるカレー専門店といえば宝来町の『小いけ』や函館西武内にあった『シタール』など、片手で数えるほどしかなかった。
その大きな隙間を突いて1980(昭和55)年、本町の路地裏に誕生したのが『カレーとサラダの店 モリタ』というカウンター6席程度の小さな店。

さらにその5年後、この店は函館初の本格インドカレー専門店『ラージモリタ』として生まれ変わる。それまで函館にはなかったタイプのスパイスカレーと、店内装飾やコスチュームや音楽までとことんインドに染まった世界観。おそらくここが函館で初めて「ナン」を提供した店だと言われており、記憶に深く刻まれている人も多いだろう。

1985年頃にオープンした『ラージモリタ』と当時のスタッフ。後列右がオーナーの守田雄策さん(故人)。女性スタッフはサリーを着用し、店内もインド音楽に限定(後年は店側が飽きて別ジャンルの音楽がかかることもあった)。本場・インドが味わえる貴重な店だった。

そして2012(平成24)年、27年営業した『ラージモリタ』はさらに形態を変えて『ラムズイヤー』として移転リニューアル。今年で12年目の春を迎える。

『ラージモリタ』時代に使われていた、栗の木のテーブルや椅子はいまも健在。

多彩な味と種類豊富なスタイルのカレーが並ぶラインナップの中、『カレーとサラダの店 モリタ』時代からずっと提供している伝統のメニューが『モリタカレー』だ。

ひき肉たっぷりのキーマルーをライスにのせずに“包み込み”、さらにソースがわりに通常のカレールーを上からたっぷりとかけたセミドライカレー。形は王冠をイメージしており、山の上にトッピングしたオリーブとグリーンピースがトレードマーク。

『モリタカレー』(1,100円)。スタンタードなルーカレーとキーマカレーとドライカレーという、3種のカレーを一度に味わうような感覚。誕生から40年以上を経ても、いまだ新鮮さに溢れたアイデアカレーだ。

創業者の守田雄策さん(故人)が「とにかくよそでやってないもの」を求め独立開業する際に開発したこのカレーは昭和・平成・令和をまたぎ、いまに受け継がれて店の看板料理の一つとして健在である。

【LAMB'S EAR】
函館市中島町38-11
0138-76-6612

peeps hakodate

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