2024.03.26

暮らす

「帳尻合わせて雪が降る」は本当なの?雪どけの見通しや春のアレの話も【気象予報士コラム】

「天気を味方にすると、暮らしはもっと快適になる!」をテーマに、
毎日の生活に役立つお天気情報の”見方”を気象予報士がお伝えします。

帳尻を合わせるように雪が降る」というウワサ。北海道で暮らす皆さんなら、一度や二度、口にしたり耳にしたりしたことがあるのではないでしょうか?

これは本当なのか…真相に迫ります!
雪どけの見通しや、春の厄介者「花粉」の傾向もお伝えします。

ここ数年の雪の降り方に変化が!?

雪のシーズンに終わりが見えてきました。今シーズンの雪について皆さんはどんな印象を持っていますか?

札幌周辺では、シーズン初めは雪が少なかったのですが、年が明けると度々まとまった雪が降り、3月に入っても何度か雪かきが必要になっています。まさに「帳尻を合わせるように雪が降った」という印象でしょうか。

ただ、ここ数年の札幌の降雪量を調べると、平年並みか少ないことが分かります。

筆者作成

近年では地球温暖化などの影響で、年間の雪の量は減少傾向です。ただ、海水温が平年より高く、雪雲の元となる水蒸気の量が増えることで、雪雲が発達したり、真冬でも北海道付近を低気圧が通過したりすることで、短い時間で大雪になることがあります。記憶に新しいのは2年前の2月上旬、札幌で24時間降雪量が60センチと統計史上一番のドカ雪になりました。

年間で見ると降雪量は平年より少なくても、ドカッと雪が降る極端な天気が、生活にも大きな影響を及ぼし、帳尻を合わせるという「印象」に繋がっているのかもしれませんね。

雪かきイラスト(筆者作成)

雪どけは早い!?そろそろ花粉も!?

さて、これから気になるのは「雪がいつなくなるか」ではないでしょうか。根雪(積雪1センチ以上)が終わる平年日は、札幌で4月2日、旭川は4月7日などとなっています。

札幌では3月後半に突入してもまだ平年より多くの雪が残っているため、根雪はいつもより遅くなるかもしれません。タイヤ交換は天気予報を見ながら慎重に考えて下さい。

タイヤ交換イラスト(筆者作成)

そして、この春注意が必要になるのが「シラカバ花粉」です。日本気象協会によると今年の飛散量は例年の2倍以上で「非常に多い」と予想しています。

花粉の飛ぶ量は、前年の夏の天気が大きく影響します。「気温が高い」 「日照時間が多い」 「雨が少ない」この3つの条件が当てはまるほど、翌春は花粉が多く飛ぶと言われています。

花粉イラスト(筆者作成)

去年の夏(6~8月)は、北海道はもちろん、全国的にも観測史上一番の記録的な暑さになりました。札幌では8月23日に36.3度まで気温が上がり、観測史上最高を更新しました。降水量は、道北の一部で多くなった他は、平年並みか少なく、日照時間は平年並みか多くなったため、花粉が多く飛ぶ条件が揃っています。

シラカバ花粉のピークは、サクラの時季と重なるため大型連休ごろですが、ハンノキの花粉はまだ雪が残る3月から飛び始めます。

花粉症の発症や症状の悪化を防ぐためには、睡眠や栄養をしっかりとったり、適度な運動をしたり、普段から規則正しい生活習慣を心がけましょう。

春の天気は変わりやすいので、HBCの天気予報をチェックする習慣もつけてくださいね。

***

<PROFILE>

文・イラスト: HBCウェザーセンター 気象予報士 児玉晃

HBCテレビ「今日ドキッ!」の番組内でも独特(?)なイラストを使って天気をお伝えしています。HBCウェザーセンターのインスタグラムも開設!予報士のゆる~い日常も見られますよ。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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