7月17日は「北海道みんなの日」(愛称「道みんの日」)。北海道の名付け親とされる、探検家の松浦武四郎が、明治2年(1869年)、明治政府に対し「北加伊道」という名称を提案した日と言われています。

この「道みんの日」にちなんで、北海道庁による『北海道みんなの日エピソードコンテスト』が昨年11月から今年の6月まで開催されました。

「とっておきの北海道」が集合!

コンテストのテーマは「あなたのとっておきの北海道」。
何気ない日常の一コマ、旅の途中で出会った景色、 “北海道が好きだなぁ”と感じるバショ、ヒト、モノの写真とそのエピソードをSNSで募集したところ、たくさんの応募が寄せられました。 公式HPでは、大賞作品を見ることができます。

今回は、力作揃いの応募作品の中から、特に「いいね!」と心に残った9作品を、Sitakke編集部がピックアップしてご紹介します。

①秘境駅「小幌」

撮影者名:kouroさん(北海道・小樽市在住)

<写真テーマ>
『日本一の秘境駅と言われる駅が北海道にある。室蘭本線の小幌だ。二つの長大トンネルに挟まれた僅か80mの隙間にある駅。人家はなく、三方は山に囲まれ、海に面した一面も海岸まで綱を伝って小一時間。もとは貨物列車の退避駅だ』

<撮影時のエピソード>
『車で2時間ほどで豊浦駅に着いたものの、豊浦駅は無人駅。切符も記念入場券もどこで買えばいいの?駅近くの商店で聞くと、近くの日帰り温泉で販売しているという。とにかく秘境駅「小幌」までの往復切符を購入する。待つこと数時間。なんせ小幌に停車する列車は行きが4便、戻りが2便しかないのだ。14時52分発の長万部行きに乗車、20分ほどで小幌に到着。

小幌駅に到着後、豊浦に戻る列車は、40分後だ。撮影時間は40分しかない、これを逃すと、ここで野宿するしかないのだ。幸い貨物列車はひっきりなしに通過する。貨物と貨物の車両の隙間に小幌の駅名と秘境マニアの人物を入れて…、やった1数カット撮れた。満足』

<Sitakke編集部コメント>
疾走感のある、ドラマチックな1枚です。応募にまつわるエピソードも、投稿者さんの写真にかける想い(と、苦労)が伝わります。秘境駅「小幌」、行ってみたい!

②この大地のように、伸び伸びと!

撮影者:kouroさん(北海道・小樽市在住)

<写真テーマ>
『美瑛町のセブンスターの木の前で出会った彼女たち。広大な大地の中では飛び上がりたくなるものだ。何度ジャンプしても、一人タイミングが合わない。それはどうでもいいこと。この大地のように伸び伸びと大きく育っててほしいと願う』

<撮影時のエピソード>
『名古屋から来たという娘さんたちが、セブンスターの木をバックに盛んに自撮りをしていました。ところが、スマホでもコンパクトカメラでもタイミングが合わない様子。そういう場面には何度も出合っていますので、「撮ってあげましょうか?」とひと声かけると、お願いしますとの返事。

こちらは数人の老人カメラマン。カメラマンジャケットに一眼レフカメラをぶら下げている姿は、若い娘さんたちにとっては「人畜無害」の存在(笑)。われらもわいわい、若い娘さんたちと語り合えるのは、長寿の秘訣かも????』

<Sitakke編集部コメント>
ジャンプのタイミングも、見ている方向も、ひとりひとりバラバラ、それぞれの個性を感じます!「この大地のように伸び伸びと大きく育っててほしいと願う」、投稿者さんのコメントも、とっても素敵だと感じました。

③50年以上前の「脱走劇」。

撮影者:おさるののんちゃんさん(栃木県・真岡市在住)

<写真テーマ>
『網走刑務所。昔、窓からとびおりて、脱走した所も、説明があった。私も昔、裏木戸から脱走。恋人にあいに行った。それが今の写真の夫 結婚58年。よくがまんしたもんだと二人で自我自賛』

<撮影時のエピソード>
『網走刑務所のエピソードを聞いてびっくりした。雪のひどい日でした。初めての北海道旅行。いいところだと思った』

<Sitakke編集部コメント>
網走刑務所で「脱走」に関する説明を聞き、結婚58年目となる旦那さんとの「恋人時代」の話を思い出したという撮影者さん。素敵なエピソードと、旦那さんの優しいまなざしが印象的な1枚。なんだかキュンときちゃいます。

④お互いに観察しあってる!?子どもたちと、サケ。

撮影者:Ayucoさん(北海道・千歳市在住)

<写真テーマ>
『秋になると多くのサケが遡上する千歳川。その千歳川の川底を観察することができるのが千歳水族館です。自然の川を観察できるのは日本でここだけだそうで、行くたびに違った様子を見ることができるのが楽しみです。私が千歳に移住したいと思ったきっかけのひとつの場所。今は息子と一緒に月に何度も通っています』

<撮影時のエピソード>
『千歳水族館は全国でも最大規模の淡水魚の水族館です。春にはサケの稚魚放流といった“体験”ができるのも魅力。
この日はサケがたくさん遡上していました。見学に来ていた小学生たちも水中観察窓にくぎ付けでした!』

<Sitakke編集部コメント>
水槽の内側と外側で、子どもたちとサケがお互いに観察しているようにも見える一枚。子どもたちもサケも、みんなみんな、健やかに育ってね!

⑤ダイナミックな山々に郷愁を感じます。

撮影者名:BLUE345さん(北海道・富良野市在住)

<写真テーマ>
『富良野市在住です。北海道のダイナミックな自然が大好きです。横浜から遊びに来た娘の友達が、北の峰から十勝岳を見て「うわぁCGかと思った」と叫びました。都会育ちの子供にはすごい迫力の山が、現実には思えなかったのかもしれませんね』

<撮影時のエピソード>
『3年くらい前のドライブ中の出来事です。当時を思い出しながら富良野の北の峰で写真を撮りました。子供の発想って面白いなと思いました』

<Sitakke編集部コメント>
青い空に映える雪冠の山々と、その町並み。道央エリア出身としては、なんだか郷愁を感じた1枚でした。「うわぁCGかと思った」というセリフも面白い!北海道の自然の魅力が端的に表れている気がします。

⑥沼田町名物「喧嘩行灯」、その活気たるや!

撮影者:kouroさん(北海道・小樽市在住)

<写真テーマ>
『昭和49年沼田町開基80周年を記念して始まった「夜高(ようたか)あんどん祭り」。町民の故郷ともいえる富山県小矢部市に伝わる行灯祭りだ。同様な行灯祭りは道内の3カ所あるが、行灯同志がぶつかり合う喧嘩行灯は、ここ沼田町だけだ』

<撮影時のエピソード>
『北海道で行われる行灯祭りは、沼田町のこの祭りのほか、知床斜里ねぶた、八雲山車行列が、三大祭りとして有名ですが、行灯同士をぶつけ合って、行燈をバリバリと壊していくのは、ここ沼田町の夜高(ようたか)あんどん祭りだけです。メイン会場は、JR沼田駅前広場と、メイン商店街A会場とB会場の計3カ所。

まずは小中学生が製作した「子供あんどん」、続いて、喧嘩あんどんにも参加する「巨大なあんどん」がまちなかを練り歩きます。一基5トンもあるという巨大あんどん。そばで見ると、その大きさに圧倒されます』

<Sitakke編集部コメント>
お祭りの活気と、どこかノスタルジックな雰囲気が伝わってくる1枚。額に入れて飾りたいくらいに、美しい!

⑦そのセンスに脱帽。

撮影者:りこっちさん(北海道・佐呂間町在住)

<写真テーマ>
『美瑛をドライブ中に見つけたかわいい巣箱。青い空と遠くの大雪山系、赤い屋根の巣箱が愛らしい』

<撮影時のエピソード>
『美瑛は大好きな場所です。自然とセンスが光る人工の調和。年に何度訪れても新しい発見があります。山も木も畑も小屋も青い空に包まれて、すべてが絵になる光景ばかり。車をゆっくり走らせて楽しんでいます』

<Sitakke編集部コメント>
美瑛の写真といえば、美しい丘の風景を撮影したものが多いイメージですが、その中でも異色な1枚!このハイセンスな巣箱を作成した方はもちろんですが、発見した撮影者さんもスゴイ!

⑧サクラと残雪、そしてこいのぼり。

撮影者:テイネジィジさん(札幌市・手稲区在住)

<写真テーマ>
『手稲、軽川の風景。手稲山の残雪、桜並木、そして鯉のぼり。手稲山の残雪の多さが冬の厳しさを感じさせますが、鯉のぼりの春に向かう元気いっぱいの泳ぎが好きですねー』

<撮影時のエピソード>
『毎年、春になると妻との早朝の散歩ルート。今年は大雪の影響で手稲山の残雪が多く、鯉が滝へ向かっている様に感じ、写真を撮りました。昨年還暦を迎え、孫を連れての散歩。孫の鯉のぼりに驚いた反応が、あまりに無邪気で新鮮でした!全国で桜と雪と鯉のぼりの共演は少ないかも?札幌の自然と日本の節句、良いですね』

<Sitakke編集部コメント>
鯉のぼり越しに見る、サクラと残雪の山々。これぞ北海道ならではの風景という感じがします。早朝の散歩ルートとしてこの眺めを堪能できる撮影者さんがうらやましい…!

⑨家族の思い出、一生の思い出。

撮影者:嫁の目さん(石川県・野々市市在住)

<写真テーマ>
『8月の小樽旅行で選んだ宿は、おたる自然の村のおこばち山荘。市内観光よりも子供達は大自然のキャンプ場を喜んだ。キャンプファイヤーと星空と夜景は25年も経つが忘れる事が出来ない。キャンプ場のリヤカーが大好きになった子供達をパチリ』

<撮影時のエピソード>
『初めての北海道旅行で、上から7歳3歳10ヶ月の子供達が、オコバチ山荘のキャンプ場が大好きで「帰りたくないよー」とリヤカーに入っている様子です。魅力は、小樽の市内に近くて車ですぐに大自然。見晴らし最高。家族連れにはオコバチ山荘オススメです』

<Sitakke編集部コメント>
25年前の家族でのキャンプで撮影されたというこの1枚。子どもたちにとって家族で過ごした幸せな思い出は、一生の宝物だよなあ、としみじみ。あったかい気持ちになりました。

***

作品を通し、撮影者さんと一緒に旅をしているような気持ちで嬉しく選考させていただきました。北海道には、まだまだ知らない魅力がたっぷりあるんだなあ、と感じます。

今回ご紹介した以外にも、公式HPでは、様々な企業・団体の審査による「大賞」も発表されていますので、ぜひチェックしてみてくださいね!

文・nabe(Sitakke編集部)

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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