2022.07.22

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悩みだらけのあたしが1年間「読者からの相談」にアンサーし続けて感じた1つの共通点(と、これからの挑戦)

は〜い皆さん、ごきげんよう!みなさまから寄せられたご相談をもとに【お悩み相談コラム】を担当している、満島てる子です。普段はバーの店長だったり、LGBTパレードの実行委員として人前でおしゃべりしたり。札幌でちょこまかと何かをしている女装子のゲイでございます。

こんぐらっちゅれいしょ〜ん!
……と、某アイドルグループの歌い出しのようなセリフで突然始めてしまいましたが(ねぇやっぱり全般的に古いかしら、自分のネタ)。笑
そう、なんとなんとこのWEBメディア「Sitakke」、今月で創設1年を迎えたの!おめでたいわぁ〜。

最初のリリースの頃から、お悩み相談コーナーの連載はもちろん、LGBTに関する記事や企画展への取材など、コラム執筆を通じてさまざまな挑戦をさせてもらっているあたし。
振り返ればこの1年間は、Sitakkeと「ともに歩んだ」と言っても全然言いすぎじゃないんだよなぁ……なんて思う今日この頃です。

今回は、編集部のみなさんから「1周年記念回として、普段のお悩み相談を”振り返る”ような記事をぜひ!」との依頼が。せっかくなので「悩みってなんだろう」っていう、そもそもの話。そこからはじめて、「あたし自身の悩みの乗り越え方」なんて、わりかしどうでもいい話まで、なんかいろいろ書いてみようかしら!笑

札幌に生きるしがない女装子がご案内する、Sitakkeというステージの、気軽な舞台裏ツアー。
そんな感覚でこちらの記事、楽しんでいただければ嬉しいです。
それでは読者の皆様御一行、お悩みコースへとご案内しま〜す(ネーミング悪っ……笑)!

「悩み」とは一体何なのか〜「お悩み相談」を担当してみて〜

……と、なんだか変に勢いのいい書き出しとなってしまいましたが。笑
まずこのコラム連載を担当するにあたり、この1年で何度となく考えさせれらたこと。
それはやはり 「悩む」ということそのものの多様さ・不思議さと、そこにアンサーをするというケア行為の難しさ・奥深さでした。

人間は、悩み散らかす生き物のようです。
31年という中途半端な時間しかまだ生きていないあたしですが、自分も周りも、まぁびっくりするほど毎日なにかに顔をしかめ、頭をよじらせ、こころのスペースを余計に取られている気がします。
しかもその内容って、どんな色彩かもどれほどの濃淡なのかも、実に千差万別。
この1年、当連載の投稿フォームだけを取り上げても、本当に様々なお悩みが寄せられていたように思います。

例えば家庭、例えば職場。
ときには恋愛や友情。大切な人の死についてや、未来への不安まで。
いろんな方がそれぞれの苦悩を、ときにコミカルでくすっと笑える書き口、また別のときにはシリアスで真剣な文章で送ってくれました(特に最初の方のお悩みたち、どれも癖つよだったような記憶があるわぁ……笑)。

「うんうん、わかるわぁ」「ちょっと!身に覚えありすぎ……!」と、毎度相談を受ける側なのにこころをゆさぶられまくりながら笑、そのひとつひとつを拝読していたものです。

でも、そんなバリエーション豊かな相談文を寄せてもらいながらも、あたしには、どれについても共通に思ったポイントがありました。
それは「人間が真剣に悩むのって、やっぱり人間との関わり方についてなんだ」ということです。

「いやいや、悩みってそれだけじゃないじゃん!」というツッコミも来るかもしれません。
確かに日常生きていたら、どんな行動をとればいいのか迷うシーンって、もっといろいろいくらでも想定できるでしょう。
皆さんだって「何着ればいいのかしら」「明日はどこに行こうか」という具体的な行為について、どうしようかと想いを巡らしたこと、きっと身に覚えがあると思います。

実際あたしにも、べろ酔いの状態でなんとか帰ってる最中なのに、コンビニでそばとそうめんどっちを買うべきか決められず、「あたし、もうわかんな〜い!どうしたらいいの!」なんて、アパレルでもないのに仲いい店員さんに相談してしまった、なんて暗黒かつしょうもないお悩みの記憶が(超迷惑なお客さんよね……反省……苦笑)。

でも、です。
そういうタイプの”悩み”って、割とそれらしい答えの候補たちが、目の前にわかりやすくぶらさがっていることが多い気がするのよね。
そばなのかそうめんなのか、青いワンピースかピンクベージュのセットアップか、藻岩山かモエレ沼なのかとか、そんな風に。
そして、それがゆえに、結局さらっと結論を決められることが多いように思うんです。

その点、こちらの連載を綴っていくにあたり、皆さんから寄せてもらったお悩みはどれも、おそらく人間についてのものだからこそ、”それらしくってわかりやすい答え”なんて、全然見当たらなかった。

だって、その悩みに関わる人間が上司や恋人のような他人なのか、はたまたその人自身なのかという、角度の違いみたいなものはあるかもしれないけれど……。
いずれであったとしても、それが対人である以上、関係性の状況や身を置く環境、その方たちのパーソナリティも様々ですし、しかもそれらが常に揺れ動いているはず。

そして、その動きから出てくる不安定さが、「まじでどうしたらいいの……誰かに相談したい」と思わざるをえなくなるような、深刻な悩みが生まれる核になっている気がするのよね。

だからこそ受け手としても、「相談者さんに届けるべき言葉がなんなのかは、まさに人間の日常がそうであるように、原稿を書いているこの瞬間にも都度変化しているんじゃないかな」と、毎回パソコンに向かっている最中、ずっとそんな風に考えていました。

言ってしまえば、「悩み相談」の担当を、ドーンと一本芯通すタイプのスタンスでやっていくっていうのは(そんな人も世の中にはいるように思うし、それはそれで尊敬するんだけれども)、本当に難しいし高度なことなんだろうなぁと、こうして連載をさせてもらっている身としては、正直感じてもいたの。

なのでもし今後、これまでと似たような内容のお便りをいただいたとしても、あたしの場合は、もしかしたら前とは180度違う切り口からアンサーすることもあったりするのかな?みんな許してね……!と、そんな風にも今思っています。笑

ですが、そんな揺れ動く人間のありさまをあえて、悩み手と受け手がそれぞれ、あえて文章を通じて描写し、デッサンのようにひとつの画面にとらえ直して、冷静に一緒に眺めてみること。
そんな「お悩み相談」というシステム自体は、日常の揺れ動きを一瞬棚上げにできるというだけでも、いろんな人のモヤモヤを軽くする力をきっとしっかり持っているはずだし、そのシステムを通じて少しでもたくさんの読者の皆さんが、言葉の力によって癒やされてくれたらと、あたしはそう願ってもいるんです。

なんなら人間として弱っちいがために、皆さんと同じような悩みを凄まじいペースで新しくポコポコと抱えてしまう自分にとっても、実はこの執筆自体が、行動療法的な救いになっていたりして(割と「今回はこのお悩みね!」と書き始めたときが、それとほぼ一緒のことで悩んでいるタイミングだったり、書き上げるとそれがすっきりしちゃったりするのよ。不思議よね……笑)。

そこから生まれた文章を「コラム」という額縁におさめて飾ってくれる、このSitakkeというミュージアム。その存在をとっても貴重なものだと、1年が経った今、改めてあたしは思っているのでした。

「悩み」を抱えたときは〜てる子なりの解決方法〜

さて、人と人が触れ合うからこそ、自分ではコントロールしきれないモヤモヤとして生まれてくる、この「悩み」というやつ。
一般的に、この悩みの「処理方法」については、すでにいろんなノウハウが出回っているように思います。
ひとりでなんとか飲み込む、別のことに打ち込む、もしくは、誰かに聞いてもらう……。いろいろ検索すると出てくるよねぇ。

でもさ、常々思うんだけど、そういう「処理」って、ある程度自分が元気な時じゃないとできなくない?
なのに悩んでる最中ってさ、そんな元気すらないわよおお助けてええ!ってなるパターンが多いと思うの(あたしはもうこれでもかってくらい、常日頃そう)。

だから、あたしは個人的な悩みを「処理」する以前に、悩みを抱えてる自分を「ケアする」ことを優先しちゃうことが多くて、そんなときは無意識に、次の3つのことをやっているような気がしています。

・・・・・・・・・・

①好きなだけ食べ、好きなだけ寝る

栄養バランスをこころがけて〜とか言われることもあるけど、もうそんな意識高い系のお小言みたいなものは全力で無視。自分の好きなものを貪り食って(そば5人前とか、せんべい20枚とか一気にいきます)、「三年寝太郎かよ」って言われるぐらい寝まくるの。ひどいときは1ヶ月ほぼ起きてなかったことがあります。

②本気の「スマホ断ち」をする

ネットワーク世代なんて言い方もありますが、スマホやタブレットがあるといつまでも人とのしがらみを何がしかで目にするし、電話やメール、SNSのちょっとした書き込みだってストレスになるもの。そんなときはさらっと電源を切って、外界との接触を断ちます(たいていきっちり後悔しますが、その対処は元気になった未来の自分がやってくれると信じて切ります)。

③さりげない「爆買い」をする

欲しかったものをえいや!と買うのは快感ですし、ときによっては気持ちが晴れることもありますが、まぁ財布事情というのはそう融通がきかないもの。なので、出費も少なく済む駄菓子だったりを、とんでもない量買って眺めたりしてます(そして、お腹へったらそれを食らって寝て……というわけで①に戻るんです笑)。

・・・・・・・・・・

「いやほぼ怠惰そのものじゃねえか!」と言われれば、まぁその通り。
この3つに溺れすぎて、周りから叱られるときも。笑

でも人間って、怠惰ってなると耳障りが悪いけれど、ゆるんでとぎれて、そんな”グデ~”っとなっているときに、気持ちを整えるぐらいがちょうどいいんじゃないかしらって思うの。
そして、そんなタイミングがないと、なかなか自分の悩みを突破しようにも、そのための馬力が出ないような気がするんです。

もともとHPが少なめのあたし。
そのせいか自然に小さい頃から身についたのが、この「ケア中心」のやり方でした。
もちろん、この方法がどんな人にも適しているとは思えませんが、案外悩んだときってその「悩み」に注目してしまいがち。
でも、その前に「自分」がここちよくいれてるかどうか、すりつぶされそうになっていないか振り返ってみるのも大事なんじゃないかなと思います。

だから、皆さんもなにか「ううっ」と思うことがあったときは、ぜひまず自分自身のことを可愛がってあげてみてください。事に向かうにあたっても、どうか無理せず。
(そうそう、これまでの連載の中でも、なぜかあたしって「まず自分のことを……」と皆さんに伝えがちな気がするの。癖なのかしらね)

お悩みは、それなりの元気が出るときまでは、ちょっと横に置いておくのもよし。
横に置いとくのがあずましくないなら(突然の北海道方言笑)、この連載の相談フォームに投げてもらうのももちろん大歓迎!

こころがざわざわすることなんてしょっちゅうなこの世の中。
この文章を読んでくれている皆さんが、できるかぎりすこやかに生きていく、そのお手伝いができるならと、次回以降のお悩み相談のコラムを書く気力が、すでに今から湧いてきているのでした。

ま・と・め♡

というわけで、Sitakke1周年にかこつけて、「悩み」というものをテーマにして、日頃このコラムを書いていて思うことや、自分自身が悩んだときのあれこれまで書かせていただきました!

参考になる……ようなものだったかどうかはわからないけれど。笑
当連載の”楽屋”があるとしたらこんな感じ!という雰囲気でお届けできたかな?

2年目に突入するSitakke、そしてこの「てる子のお悩み相談ルーム」。
これからも応援よろしくお願いいたします

そうそう!最後に言い忘れてた。
こないだ札幌南区の八剣山まで、「絵本コラム」担当の堰八紗也佳アナウンサーと一緒に行ってきたんです。おでかけとっても楽しかった〜!食レポがぎこちなさすぎて、これから腕磨かなきゃと思っちゃったわ。笑

堰八アナの「絵本コラム連載」でも、1周年コラムを公開しているそうなのでぜひチェックしてみてねん♪

今年はそんな、どこかのお店紹介とか、そんな企画にもどんどん挑戦して、もっともっとSitakkeの”記者”としても成長してみたいわね!その際は、みなさんぜひ読んでいただけると幸いです♪

それでは皆さん、今後ともどうぞよしなに。
Sitakkeね〜!

オフショット:食レポ挑戦中!

(ガッチガチに緊張してる表情にご注目あれ♪)

***
文:満島てる子
編集:nabe(Sitakke編集部)
***

満島てる子:オープンリーゲイの女装子。北海道大学文学研究科修了後、「7丁目のパウダールーム」の店長に。LGBTパレードを主催する[「さっぽろレインボープライド」]の実行委員を兼任。2021年7月よりWEBマガジン「Sitakke」にて読者参加型のお悩み相談コラム「てる子のお悩み相談ルーム」を連載中。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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