2021.12.18

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サクサク・ふわふわ・ぷりぷり!孫が受け継ぐ老舗のかまぼこ店【函館】

一度は閉業した、函館の老舗かまぼこ店。創業者の孫が祖父の味を追いかけ、新しい挑戦を続けています。

紹介してくれたのは、Sitakke連携メディアの「ハコラク」です。函館新聞が発行するフリーペーパーで、グルメやレジャーなど、より日常を楽しむための情報をお届けしています。

昔ながらのかまぼこ店

「ハコラク1月号」の特集「函館三大市場 名店探訪」の中から、SitakkeTV(土曜午後6時55分からHBCで放送)で注目したのは、函館市民の台所として知られる商店街・中島廉売の「太田かまぼこ」。

店頭にずらりと並ぶかまぼこを量り売りする、昔ながらのお店です。

タコやホタテ、枝豆など種類豊富な「ちぎり揚げ」が定番商品。

紅ショウガのちぎり揚げは、スケソウダラのすり身に練りこまれたネギと紅ショウガが絶妙なアクセントになり、おつまみにもおすすめの一品です。

すり身を使ったシューマイや、すり身を食パンで包んだ「パンロール」など、かまぼこ店ならではのアイデア商品も豊富。

つややかなタレが食欲をそそる「カレーメンチ」は、じゃがいもや玉ねぎ、カレー粉を混ぜたすり身に、特製の甘辛いタレをたっぷり絡めています。

祖父の味を受け継ぐのは…

「太田かまぼこ」は、戦後間もない1945年に創業。函館市民に愛されながらも、後継者がおらず、一度店を閉めました。

提供:太田かまぼこ

しかし、閉業から5年が経った2012年、ふたたび店を開きます。その理由とは?

復活の立役者は、太田寛人(おおた・ひろと)さん。創業者・太田幸次郎さんのです。

「閉めた店は倉庫として使っていたんですが、ときどきシャッターを開けると、営業中と勘違いした人が次々やってくるんですよ。『次はいつオープンするんだ』という声を多々いただいていて、『太田かまぼこ』という看板はお客さんの中で生き続けているんじゃないかと思ったことが始めるきっかけです」

創業者・太田幸次郎さんと妻・シズエさん(提供:太田かまぼこ)

継ごうと決めたときには亡くなっていた祖父。「かまぼこは、じいちゃんが作ったものしか食べたことがなかった」という太田さんは、祖父の味を思い出しながら、当時を知る職人たちの指導を受け、すり身づくりの技術を磨きました。

サクサク・ふわふわ・ぷりぷりの「函館いかメンチ」

創業時から人気だった、いかを練りこんだかまぼこを、衣で包んだ「函館いかメンチ」。常連客のアドバイスを受けながら太田さんが作り上げた商品で、今では一番の人気メニューになりました。

衣はサクサク・すり身はふわふわ・いかはぷりぷり!函館らしいいかと、伝統のすり身に、孫の新しいアイデアが組み合わさった、市民の食卓にも、観光客の食べ歩きにもおすすめの一品です。

自慢の味を広く届けたいと、函館市外・海外の物産展にも出品していて、12月からはオンラインストアも開設しました。味も販売方法も新しい挑戦を続けるのは、祖父が築いた伝統の看板を大切に思うからこそです。

「常に挑戦し続ける創業者だったので、その背中を見て育ったのが大きいんじゃないかなと思います。仕事で全国歩くと、正直な話、商店街はどんどん廃れてきています。でも、ここ中島廉売は私の『はじめのは』だという強い想いがあります。元気にやっている商店街もあるんですよ。そういうひとつの光になれればと思っています」

太田さんにとって「好きだけど怖かった」という祖父。店を手伝うときは、当時小学生だった太田さん相手でも、商売人として厳しい姿を見せたといいます。

「自分では祖父の味を継ごうとがんばっていますけど、祖父が食べたら、今でも認めてくれないでしょうね(笑)。いつもは好きなじいちゃんだけど、白衣を着ると、本当に厳しい人でした」

店頭に掲げられた写真は、白衣姿の祖父。その厳しくも暖かいまなざしに見守られながら、きょうもお客さんに伝統の味を手渡します。

「ハコラク」の記事では、ことしも12月26日から店頭に並ぶ、年末だけの伝統の逸品もご紹介しています。
【函館】伝統のかまぼこと手作りの総菜

***
太田かまぼこ
住所:函館市中島町25-16
営業時間:平日午前9時~午後5時
電話:0138-31-0035
***

文:Sitakke編集部IKU

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北海道の女性たちの明日につながる“きっかけ”を届けるWEBマガジン『Sitakke』と連動して、道内各地で根付くパートナーメディアの編集者や様々なゲストを交え、北海道各地で親しまれ愛される、ローカルな人、モノ、場所をお届けします!

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