2021.09.27

暮らす

「年間20人以上の命が救えたかもしれない」クルマの中の命綱・シートベルトの徹底を【じぶんごとニュース#5】

シートベルトさえしていれば、助かったかもしれない人が、年間20人以上いる…。道警が、2016年から2020年までの交通死亡事故を調べた結果、わかったことです。

ことしも、シートベルトをつけずに命を落とす交通事故が相次いでいます。特に「後部座席」でつけていないケースが目立ちます。

シートベルトで変わる、体に伝わる衝撃

札幌市豊平区の日本自動車連盟・札幌支部にある、時速5キロで走った場合の事故の衝撃を体験できる装置です。トラックの荷台に車の座席が設置されています。

記者が体験すると、時速5キロといえど、衝撃が大きいことがわかりました。

道警は、「シートベルトをしていないと、事故にあった場合、窓ガラスに体が衝突してしまったり、最悪、窓ガラスを破って外に飛び出してしまったりする危険性もある」と話します。

こちらは、時速55キロで走行した場合の実験映像です。後部座席の水色の服を着たマネキンはシートベルトをしていますが、赤い服を着たマネキンはしていません。

シートベルトをしていない、赤い服を着たマネキンは、後部座席から飛び出し、前の座席に頭を強く打ちつけました。シートベルトをしているかどうかで、体へのダメージに大きな差が出ることがわかります。

約6割の命が救えたかもしれない

7月、上川の美瑛町で乗用車同士が衝突した事故では、後部座席にいた女性が、車外に投げ出され、亡くなりました。シートベルトをしていなかったと見られています。

道警によりますと、2016年から2020年までの過去5年間、交通事故で亡くなった人のうち、シートベルトをしていなかった人は174人。そのうち、シートベルトをしていれば助かったかもしれない人は、約6割にあたる109人にのぼります。

ことしも、9月20日までに交通事故で亡くなった人のうち、歩行者などを除いたシートベルト対象者は48人いますが、そのうち半数近くの22人が、シートベルトをつけていませんでした。うち10人は、シートベルトをつけていれば助かった可能性があるといいます。

後部座席でも必ずシートベルトを

過去5年間の交通死亡事故を、亡くなった人の座席別に振り返ると、シートベルトをしていなかった割合がもっとも高いのは後部座席でした。運転席では約4割、助手席では約3割だったのに対し、後部座席では約8割にのぼります。

そのうち、シートベルトをしていれば助かったかもしれない人は、運転席で約6割、助手席と後部座席では約7割です。

後部座席でのシートベルト着用は、2008年から義務化されていますが、なかなか定着していないことがわかります。

シートベルトは、どの席に座っても大切な「命綱」。じぶんや同乗者の命を守る分かれ目になります。

文:Sitakke編集部 IKU

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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