2022.12.07

暮らす

【寒いのはどっち?】冬の北海道VS富士山山頂!10年のデータを比較してみた

「天気を味方にすると、暮らしはもっと快適になる!」をテーマに、毎日の生活に役立つお天気情報の”見方”を気象予報士がお伝えします。

この時季、「けさの●●市の最低気温は富士山を除き、全国で一番低くなりました」という話題がよくニュースになります。富士山が一番寒いのは当たり前だろうと感じたことはありませんか? でも実は、北海道の冷え込みは、富士山に負けず劣らずのいい勝負なのです。

富士山vs北海道!? 冬の最低気温を調べると…

標高3776メートルの富士山の山頂には「富士山」アメダスがあり、気温や湿度などを観測しています。平年のデータを見ると、夏でも最高気温一ケタは当たり前、冬の最高気温は-10度に届かず、寒いです。

富士山の最低気温の記録は1936年1月31日に観測された-32.0度です。これが日本の最低気温かと思いきや、日本の記録はなんと、1902年1月25日に北海道の「旭川」で観測された-41.0度なのです。

富士山の記録は4番目で、上位3地点は、旭川、帯広、旭川市江丹別と北海道が独占しています。

気象庁では、12月・1月・2月を「冬」と定義しています。この期間で過去10シーズン分(2022年2月まで)の北海道と富士山の日々の最低気温を比べてみました。

過去10シーズン分を比較してみた!

北海道VS.富士山でその日ごとに寒かった方を"勝ち"として、その勝ち数を見てみると・・・

結果はなんと、北海道7勝・富士山3勝となり、北海道の圧勝でした。なぜ北海道の方が寒いのか、考えられる理由は2つあります。

①北海道の方が北にあるから

気象庁では全国16か所(釧路は現在休止中)で「ラジオゾンデ」という風船みたいなものを飛ばして、上空の気温などを観測しています。

富士山の標高に近い上空3000メートル付近の気温(12月~2月)の平年値は、札幌では-20度くらいですが、富士山から一番近い茨城県つくば市にある「館野(たての)」では-10度くらいと。南に位置する分、札幌より高くなります。

札幌と東京の地上の12月~2月の平均気温を比べてみても、北にある札幌の-2.3度に対して、南にある東京は6.4度と高いです。

②北海道は放射冷却が強まるから

放射冷却とは、夜間に地表付近の熱が上空に逃げて、冷えることを言います。
雲があると布団代わりになるため、晴天の方が熱は逃げやすくなります。また、風が強いと、地表付近が冷えても、その上にある暖かい空気と混ざり合うため、風が弱く穏やかな方が、気温が下がります。富士山は風が強いため、北海道の内陸の方が冷え込むことがあるのです。

ちなみに昨シーズンは7年ぶりに北海道が富士山に"負けてしまいました"が、この冬はどうなるでしょうか。
ぜひ、この勝負に注目して見てくださいね!

参照データ

道内の最低気温のランキング(HBCウェザーセンター)

富士山の最低気温(国土交通省・気象庁)

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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