2022.11.16

暮らす

【なぜ?】ここ数年で「初雪」にも変化が……その懸念点とは【解説】

「天気を味方にすると、暮らしはもっと快適になる!」をテーマに、生活に役立つお天気情報の”見方”を気象予報士がお伝えします。

平地でも雪が降る季節に入りました。札幌の最新の初雪平年日は11月1日で以前(去年までの平年値)と比べて遅くなりましたが、初雪の傾向にも変化が見られます。

どんどん遅くなる「初雪」観測、その傾向とは

今シーズンの札幌の初雪は、きょう11月16日に初雪を観測しました。気象台によると雨に雪がまじる「みぞれ」で初雪を観測したとのことでした。

この時季になると、札幌市内でも「北区で雪が降った」とか「南区はみぞれが降った」など皆さんの関心も高くなりますが、札幌の初雪はあくまで中央区にある札幌管区気象台で雪が降ったかどうかで判断され、みぞれも雪に含まれます。

そして、いつどんな降り方で初雪が観測されたか、過去のデータも残されていて、それを見てみると、近年になって初雪の傾向が変わっていることに気が付きました。

統計が残っている1989年から見ると、2009年までの20年間は「雪」と「みぞれ」がほぼ半々の割合で観測されていましたが、2010年から今年にかけては、「みぞれ」のみの観測となっています。

「みぞれ」は雨に雪がまじることなので、単純に考えると雪が降るよりも気温が高いことが考えられます。
皆さんも「雨が降っていたけど、いつの間に初雪が降ったの?」と感じられたことはないでしょうか。
また、去年までの札幌の初雪平年日(過去30年間の平均値)は、10月28日でしたが、今年更新された最新の平年日は11月1日で、4日遅くなりました。温暖化で大気の温度が高くなっていることが原因の一つと考えられます。

このまま地球温暖化が進んでいくと、初雪の時期がどんどん遅くなり、ホワイトクリスマスが珍しいなんてことになるかもしれません。また、水分を多く含んだ重たい雪が降ることが多くなり、雪かきはさらに重労働に。また、落雪事故や建物の倒壊が増えるおそれもあります。

HBCテレビ「今日ドキッ」!では「SDGs 北海道から未来へ」と題したシリーズで、道内の様々な取り組みを取材していきます。

SDGsは英語の「持続可能な開発目標」の頭文字をとったキーワードで、国連が2030年に向けて、環境、貧困など、17分野の課題に、国際社会全体で取り組むよう設定した目標です。その中に「気候変動に具体的な対策を」という目標もあります。

天気予報のコーナーでも「1.5℃の約束」と題し、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出量を減らすために、無理なくできる省エネ情報をご紹介しています。ぜひ、チェックしてみてくださいね。
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児玉晃予報士が所属する気象予報士クリエイター集団「サキドリーズ」が運用するYouTubeチャンネルてんきよほうでは、日本全国の天気や季節の話題をわかりやすくお伝えしています。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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