「天気を味方にすると、暮らしはもっと快適になる!」をテーマに、毎日の生活に役立つお天気情報の”見方”を気象予報士がお伝えします。
天気やニュースで「手稲山口で真夏日になりました」など、札幌の中でも手稲山口を取り上げることがあります。なぜ、札幌市内でも特に手稲区が”暑く”なるのか・・・?そこにはアメダスに関する理由があるのです。
暑さや寒さなど気温の話題で、「旭川市・江丹別(えたんべつ)」や「稚内市・沼川」、「北見市・留辺蘂(るべしべ)」などローカルな地名を使うことがあります。
札幌市内でも「手稲山口」と手稲区を取り上げて、気温を伝えることがありますが、「札幌の北区は暑くないの?東区は寒くないの?」などお住まいの地域と比較して疑問に思ったことはありませんか?
特に手稲区が暑くなる(寒くなる)というわけではなく、そこに、気温を観測するアメダス(地域気象観測システム)があるからなのです。
気温の観測は、気象台の職員が温度計を持って外に出ているわけではなく、無人で気象を観測し、自動的にデータを送るシステム「アメダス」を使っています。(気温だけでなく降水量や風向・風速、湿度、積雪を観測しているところもあります。)
気温の観測方法には決まりがあり、風通しの良い場所で、芝生の上1.5mの位置で計測しています。
気象庁:地域気象観測システム(アメダス)
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq11.html
この観測方法に沿えば「自宅アメダス」として気温の観測ができます。
ベランダや庭といった、風通しの良い場所で物干し竿などに温度計を1.5mくらいの高さにくくります。その時、直射日光や雨の影響を受けない場所を選びましょう。
決まった時間に気温を計測し、その時の天気の状況なども一緒に記録しておくと、天気と気温の関係も分かりますよ。
また、雨の量も観測できます。降水量の単位の「ミリ」はミリメートルのこと。体積ではなく、深さなのです。
上下同じ形、同じ面積の筒状のものに「ものさし」を取り付ければ、雨量計(うりょうけい)が作れます。身近なもので言えば、綿棒ケースなどがおすすめです。
1時間ごとに溜まった雨の深さを何ミリか測れば、それが1時間降水量です。
夏休みの自由研究にもなりそうですね。
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北海道内では173地点で気温の観測を行っています。
およそ20キロ間隔で設置され、道内すべての市区町村にあるわけではありません。札幌市内で気温を観測しているのは、気象台のある札幌(中央区)と、手稲山口の2か所です。このため、手稲区がよく取り上げられるわけです。
気象庁では、全国のアメダスの大まかな住所を公開しています。
詳細な住所までは公開されていませんが、あなたの家の近くにあるかもしれませんね。
天気予報のチェックお忘れなく!
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児玉晃予報士が所属する気象予報士クリエイター集団「サキドリーズ」が運用するYouTubeチャンネルてんきよほうでは、日本全国の天気や季節の話題をわかりやすくお伝えしています。
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