2022.07.13

暮らす

札幌市内でも特に手稲区が「暑く」なるのはなぜ?【天気のギモン】

「天気を味方にすると、暮らしはもっと快適になる!」をテーマに、毎日の生活に役立つお天気情報の”見方”を気象予報士がお伝えします。

天気やニュースで「手稲山口で真夏日になりました」など、札幌の中でも手稲山口を取り上げることがあります。なぜ、札幌市内でも特に手稲区が”暑く”なるのか・・・?そこにはアメダスに関する理由があるのです。

天気やニュースで「手稲」がピックアップされるワケ

暑さや寒さなど気温の話題で、「旭川市・江丹別(えたんべつ)」や「稚内市・沼川」、「北見市・留辺蘂(るべしべ)」などローカルな地名を使うことがあります。

札幌市内でも「手稲山口」と手稲区を取り上げて、気温を伝えることがありますが、「札幌の北区は暑くないの?東区は寒くないの?」などお住まいの地域と比較して疑問に思ったことはありませんか?

特に手稲区が暑くなる(寒くなる)というわけではなく、そこに、気温を観測するアメダス(地域気象観測システム)があるからなのです。

柵の中にあるのがアメダスです。

気温の観測は、気象台の職員が温度計を持って外に出ているわけではなく、無人で気象を観測し、自動的にデータを送るシステム「アメダス」を使っています。(気温だけでなく降水量や風向・風速、湿度、積雪を観測しているところもあります。)

気温の観測方法には決まりがあり、風通しの良い場所で、芝生の上1.5mの位置で計測しています。

気象庁:地域気象観測システム(アメダス)
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq11.html

この観測方法に沿えば「自宅アメダス」として気温の観測ができます。

夏休みの自由研究にも!?おうちでできる「自宅アメダス」

ベランダや庭といった、風通しの良い場所で物干し竿などに温度計を1.5mくらいの高さにくくります。その時、直射日光や雨の影響を受けない場所を選びましょう。

決まった時間に気温を計測し、その時の天気の状況なども一緒に記録しておくと、天気と気温の関係も分かりますよ。

また、雨の量も観測できます。降水量の単位の「ミリ」はミリメートルのこと。体積ではなく、深さなのです。

綿棒の容器でつくった「雨量計(うりょうけい)」

上下同じ形、同じ面積の筒状のものに「ものさし」を取り付ければ、雨量計(うりょうけい)が作れます。身近なもので言えば、綿棒ケースなどがおすすめです。

1時間ごとに溜まった雨の深さを何ミリか測れば、それが1時間降水量です。
夏休みの自由研究にもなりそうですね。

***

北海道内では173地点で気温の観測を行っています。
およそ20キロ間隔で設置され、道内すべての市区町村にあるわけではありません。札幌市内で気温を観測しているのは、気象台のある札幌(中央区)と、手稲山口の2か所です。このため、手稲区がよく取り上げられるわけです。

気象庁では、全国のアメダスの大まかな住所を公開しています。

詳細な住所までは公開されていませんが、あなたの家の近くにあるかもしれませんね。

天気予報のチェックお忘れなく!

***

児玉晃予報士が所属する気象予報士クリエイター集団「サキドリーズ」が運用するYouTubeチャンネルてんきよほうでは、日本全国の天気や季節の話題をわかりやすくお伝えしています。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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