2022.04.17

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もう会社行きたくない…「なんだかやる気が出ない」と焦るあなたに思い出してほしいこと

大雪に見舞われた北海道にもようやく春が来ました。
例年本格的な冬に入る前の11月と真冬ど真ん中の2月は、精神的な不調を訴える方が多くなる時期です。ただ、その時期が過ぎて、周囲が活動的になってきたのに、自分は今一つ元気が出ない……という方も少なくありません。とくに、5月病という言葉があるように、新年度が過ぎて1か月したころになんとなく気持ちがすっきりしないと感じ、出勤や登校をすごく負担に感じる方はかなりの数となります。
今回は「なんだかまわりの勢いについていけない」「やる気が起きなくて、毎日朝が辛い……」そんなときに思い出してほしいことをお伝えします。

今、すでにあなたは十分頑張っています

新年度。新しい目標をたてたり、習い事を始めたりする人が増える時期です。自分もなにか新しいことを始めなくてはと焦るのに、今一つその波に乗り切れない人も多いもの。
けれど、無理に新しいことを探すことはやめましょう。日常の一つひとつをこなしているあなたは十分頑張っています。毎日同じことを繰り返すばかり……と思うかもしれませんが、同じことを繰り返すことも、とても大事なことです。忍耐力、持続力がある自分を褒めましょう。

まず一つやってみましょう

毎日同じことを繰り返すのがしんどい日もありますよね。「会社に行くのがおっくうだな」と思うとき、まずは布団から起きだしてみようと思いましょう。
その先のことは考えず。まず上半身を起こします。
「上半身だけ、起き上がったな、えらいぞ、自分」と褒めてください。
それから、足を床につけて、立ち上がって……。
そうやって一つひとつの行動を細かく区切って、「やってみようか」と試してみてください。
一つができたらきちんと褒めましょう。
そうすると、朝からずいぶんたくさんの頑張りが積み重なっているんだなと気づくはず。
会社に行くことは当たり前ではないのです。毎日、一つひとつの頑張りを積み重ねて出勤している自分は本当にえらいのです。だから、朝目が覚めて「会社に行かなくちゃ」と自分を追い詰めず。まず一つ。本当に小さな一歩をやってみて、褒めてみましょう。

迷う場面を減らす

なにかを迷って決めるということはとてもエネルギーを使います。
人は毎日、思う以上に決断する場面にさらされています。洋服を選ぶためにエネルギーを使わないという目的で、同じ洋服を1週間分用意していたというスティーブ・ジョブズさんの話は有名ですね。
おしゃれが大好きで、毎日その日の気分で選ぶことが楽しい!という人は、毎日同じ服を着ることが苦痛になりますから、毎朝の気分で着たい洋服を選びましょう。
でも、そうではない人にとっては、出勤服を制服のように決めてしまうというのはよい方法の一つだと思います。
ほかにも日々の生活で「どうしようかな」と迷う瞬間が実は結構あるものです。
筆者の場合は「今日は洗濯しようかな」と考える手間を省くために、毎朝、量に関係なく洗濯機を回すことに決めています。毎日洗濯物を干すことは筆者にとってはそれほど負担ではなく、むしろ洗濯をしようかどうかと考えて、決断することや、明日にしようと一日洗濯をせずに、翌日、洗濯物が多くて「やっぱり昨日すればよかった」と後悔することの方が心理的に負担になるからです。
なにがどの程度の負担になるかは個人によってさまざまです。あなたのなかで、毎日迷う場面をまず見つけてみましょう。そのなかで、一度決めてしまうことで楽になることはありませんか? なるべく迷って決断するという場面を減らすことをおすすめします。

本当に「なにもやっていない」ですか?

休みの日は家でダラダラ。「今日もなにもせずに一日終わっちゃった」という方、多いですが……本当になにもしていないでしょうか?
一日パジャマで、お化粧もせず、ダラダラしていたとしても、実は頭のなかで前日の仕事について考えて反省したり、週明けの仕事の予定を考えたり、衣替えしなくちゃなぁ……と思っていたりなどしませんか?
それはなにもやらずに休んでいる状態ではありません
きちんと頭も心も休めるためにはちゃんとなにもやらない日が必要です。
罪悪感なく休む練習をしましょう。

今のあなたを大事にする

将来のことを考えると、もっと頑張らなくてはいけない。そんな風に思うこと、ありますよね。
いくら頑張っても不安になって、まだ足りない……と思ってしまう。
でも、まずは今のあなたを大事にしましょう。
過去でもなく、未来でもなく、今のあなたが笑顔で元気にいられる方法を探しましょう。
今が積み重なって未来のあなたになるのです。
きちんと、今頑張っていることを認めて。きちんと、休みましょう。
そうして、いつかくる私はこれがやりたい!を見逃さないように。やる気が出ないときは、そのやりたいを待つ準備期間だと思って、心に正直に過ごしてみるとよいと思います。

文:竹原久美子(公認心理師/婦人科クリニック勤務)

【画像】akaomayo、mits、Pangaea / PIXTA(ピクスタ)

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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